研究課題/領域番号 |
09440089
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中澤 清 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10025455)
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研究分担者 |
榎森 啓元 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30262257)
渡辺 誠一郎 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50230967)
井田 茂 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60211736)
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キーワード | 系外惑星系 / ガス惑星 / ガス円盤 / 木星軌道 / 惑星形成 |
研究概要 |
1995年以来、三十個程度の太陽系外の惑星(系外惑星と呼ぶ)が発見された。それらは観測上の制限から、みな比較的質量の大きな木星型のガス惑星だが、半数弱が軌道半径が水星軌道より遥かに短いものであり、半数強は軌道離心率が小惑星や彗星のように大きいものである。こうした系外惑星の多様性を惑星系形成の標準理論--星形成に伴う原子惑星系ガス円盤の形成、ガス円盤内でのダストの凝集、微惑星形成、微惑星の合体集積--を基礎として統一的に説明する試みを始めた。多様性を産むプロセスとして、1.内側の領域でのガス惑星の形成、2.惑星系の軌道不安定化、3.原子惑星系ガス円盤と惑星の重力相互作用、についての解析をすすめた。1.については、質量の大きな原子惑星系ガス円盤では、太陽系の木星や土星よりも遥かに内側の領域で巨大ガス惑星が形成されることがわかった。また、これまで考えられているより、小さな固体コア質量でガス捕獲がおこって、ガス惑星が形成されうることもわかった。2.については、一般に円盤ガスの抵抗が惑星系を安定化させるが、ある程度以上、原子惑星間の間隔が短ければこの安定化はきかないこともわかった。3.については、詳細な3次元数値シミュレーションを行ない、ガス円盤との重力相互作用によって、惑星は大きく動くことが示唆された。以上のことにより、これまでの太陽系形成理論を自然に拡張するだけで、生成される惑星系に大きな多様性が生じることが明らかになってきた。
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