研究課題/領域番号 |
09440092
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
満田 和久 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助教授 (80183961)
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研究分担者 |
清水 裕彦 宇宙科学研究所, 理化学研究所, 研究員 (50249900)
村上 浩 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (40135299)
廣瀬 和之 宇宙科学研究所, 衛星応用工学系, 助教授 (00280553)
藤本 龍一 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (20280555)
庄子 習一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00171017)
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キーワード | 放射線検出器 / X線分光器 / カロリメータ / ボロメータ / 超伝導遷移センサー(TES) / 超伝導量子干渉素子(SQUID) / マイクロマシーニング / チタン薄膜 |
研究概要 |
1. 半導体微細加工技術 カロリメータの熱機械的構造として、昨年度ははしご構造のものを試作したが、内部応力に対する機械的な強度を確保するために、厚さが約20ミクロン大きさが約1mm平方のシリコンダイアフラムを太さ約50ミクロンの腕2本で支える方式に変更した。この方式の採用によりカロリメータ構造をこれまでにくらべて安定に製作可能になった。この技術を使って以下で述べるように半導体温度計カロリメータ、超伝導薄膜カロリメータを製作した。 2. 半導体温度計カロリメータ 昨年度の実験で得られた温度計製作パラメータを用いてカロリメータを製作した。0.3K冷凍機を用いてこの温度範囲での素子のパラメータ(熱伝導度、熱容量)を測定した。今後0.1K冷凍機で動作させることにより、X線検出器としての特性の測定を行う予定である。 3. 超伝導薄膜温度計(TES)カロリメータ 0.3K冷凍機で動作させることのできる超伝導薄膜温度計としてシリコン基盤上にチタン薄膜と金薄膜を順にマスク蒸着した温度計を製作し、製作パラメータと超伝導遷移の性質の間の関係を調べた。この結果、カロリメータの性能に重要な超伝導遷移における抵抗の温度係数がチタンの純度と関係していることなどがわかった。この結果得られたパラメータを用いてカロリメータの製作を行った。一方、昨年度よりすすめてきたSQUIDを用いたTESカロリメータの信号読み出しシステムについても、SQUIDの磁気シールドを強化する等の改良を加えた。これによりノイズレベルを必要なレベル以下に押さえることに成功した。以上の結果を踏まえて、TESカロリメータを製作し、その特性を測定するとともに、22keVのX線のphoton検出に成功した。エネルギー分解能は最終目標にくらべてまだ2桁近く悪いが、TESの抵抗値、抵抗温度係数、SQUID読み出し系の時定数などを改善することにより、来年度以降改良を加える予定である。
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