研究課題/領域番号 |
09440096
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
松尾 宏 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助手 (90192749)
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研究分担者 |
村上 浩 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (40135299)
野口 卓 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90237826)
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キーワード | 超伝導検出器 / 遠赤外線技術 / サブミリ波技術 / サブミリ波天文学 |
研究概要 |
本年度は500GHz帯のビデオ検出器の性能評価および改良を中心に行った。超伝導ニオブを用いたのトンネル接合素子を2つ用いたPCTJ(Parallel Connected Twin Junction)タイプの500GHzビデオ検出器を用いて、量子効率、分光感度、ノイズの測定を行った。製作した素子のうちリ-ク電流の低い素子について評価を行い、約75%の量子効率が測定された。分光透過特性については、500GHzを中心に約200GHzの帯域で感度の得られることがわかり、広帯域高感度の検出器が実現された。リ-ク電流については、素子温度を2K以下に冷却することにより若干の減少が見られたが、まだ十分とは言えず、さらにリ-クの低い素子を実現するための改良を行う必要がある。一方、測定されたノイズはリ-ク電流のショットノイズより大きく、超伝導ジョセフソン電流によるノイズが発生していると考えられる。今後、磁場強度とノイズの関係を調べる予定である。これまでに得られたNEPは測定ノイズ限界で2×10^<-12>W/√Hz、ショットノイズ限界で8×10^<-15>W/√Hzであり、すでに4.2Kボロメータと同等かそれ以上の検出性能を達成している。 より広帯域で感度を持つ検出器を実現するため、トンネル接合素子を多数用いたDJ(Distributed Junction)タイプの素子を製作し、同様の測定を進めている。 超伝導のギャップエネルギーより高い周波数で用いることのできるフォトン検出器については、これまでの実験により、素子を1K以下まで冷却することで低いリ-ク電流が実現できること、検出器ノイズがリ-ク電流のショットノイズ起源であることが示された。一方、量子効率が低いことが問題となっており、今後入射エネルギーと超伝導との結合方法を検討し、量子効率の改善を行う予定である。
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