研究分担者 |
新川 孝男 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (70171064)
小林 正明 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40013388)
小俣 和夫 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (00092172)
鵜飼 熊太郎 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教授 (40013411)
小松原 健 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (30242168)
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研究概要 |
K+中間子静止稀崩壊実験ではK^+ビームの入射・静止・崩壊の確認と,求める崩壊モードの事象を極めて高い信頼度て検出することが必要不可欠である。これに対処するため,平成10年度は下記の研究を行った。 1. 実験装置の検討:測定器に要求される性能が現実に達成可能かどうかを確認するために, (1) 荷電粒子やガンマー線入射に対する角柱形状のGSOシンチレーターの性能評価を行った。 (2) PbWO4シンチレーターの製作法と放射線に対する耐久性調査研究を行った。 2. BNLでの実験データによる検討:実際の実験条件下のバックグラウンドや測定精度を知るために,BNLで現在国際共同研究として実施中のK^+崩壊実験で得られたデータを解析して,将来の改良点の研究を行った。 (1) K^+→π^+ννから崩壊して発生するπ粒子の運動量がKπ2(K^+→π^+π^o)崩壊のπ粒子運動量より低い場合の事象を捕らえる時のバックグラウンド事象の詳細なデータ解析を行った。 (3) ガンマー線を伴う崩壊モード,例えばK^+→π^+π^oγ,K^+→π^+γγ,K^+→π^+γ,K^+→μ^+νγ等の研究のためにデータを解析して現在の装置のγ線に対する検出感度等の性能評価を行った。 3. 高速データ収集法の検討:3-5秒の長いフラットトップの大強度ビーム加速器運転の時に,効率よくデータ収集をするために必要な,大容量高速データ収集法の検討をBNLで行い,6ヶ月にわたるデータ収集で十分に高速大量収集ができることを実証した。 4. 上記研究には海外の研究者と緊密な協力が不可欠である。研究計画に対して助言を得,また今後の共同研究の方向を検討するために,ブルックヘブン国立研究所よりS.ケテル博士を日本に招聘するとともに,12月18-19日に田無分室にてCP非保存に関する国際ワークショップを開催して国外15名国内42名の参加の下に理論・実験の検討を行った。
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