研究課題/領域番号 |
09440101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶田 隆章 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40185773)
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研究分担者 |
岡田 淳 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (90013341)
塩澤 真人 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (70272523)
伊藤 好孝 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50272521)
金行 健治 東京工業大学, 理学部, 助手 (30224629)
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キーワード | 大気ニュートリノ / ニュートリノ / ニュートリノ振動 / ミューニュートリノ / タウニュートリノ |
研究概要 |
本年度は、スーパーカミオカンデにおける大気ニュートリノのデータ解析を進めた。特に、大気ニュートリノ中のミューニュートリノと電子ニュートリノの比に関しては、観測したエネルギー1.3GeV以下の低エネルギーサンプルに対し、観測値は理論値の0.67±0.024(統計誤差)±0.05(系統誤差)を得、またそれ以上の高エネルギーサンプルに対しては、0.66±0.04(統計誤差)±0.08(系統誤差)を得、共に理論値よ有意に小さい値であった。これを説明するにはニュートリノ振動が必要である。 さらに、高エネルギーのミューニュートリノサンプルに対し、上向きと下向きの比をとると、理論値が1のところ、観測値は0.53±0.05(統計誤差)±0.01(系統誤差)となり、統計的には7シグマの有意さで理論と合わない。これを説明する飛行距離の長い上向きミューニュートリノがニュートリノ振動で減ってしまったと考えるしかない。 上記の観測データを説明するため、ニュートリノ振動の解析をおこなった。最新のデータを説明するためには、ミューニュートリノとタウニュートリノ間のニュートリノ振動を仮定し、2種のニュートリノの質量の2乗の差として、(1〜8)×10^<-3>eV^2、また2種のニュートリノ間の混合角として、0.85以上である必要があることがわかった。これらの観測と解析を通して、我々はニュートリノ振動の証拠を得たと結論し論文にまとめた。
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