研究概要 |
この研究の目的はこれまでの強磁性体の内部磁場を用いたNMR-ONの方法でなく、外部強磁場を用いた低温偏極核の核磁気共鳴(BF-NMR-ON)の方法で原子核、核物性の研究を行うものである.計画は平成9年度から3年計画である. 高エネルギー加速器研究機構田無分室のSFサイクロトロンによる50MeVのαピームでY,^<101>RUをターゲットにして照射して、^<75>SeFe,^<90>NbCu,^<101m>RhCuをそれぞれホスト金属に(厚さ約2ミクロン)に反跳埋め込みを行って試料を制作した。此れを3He/4He希釈冷凍機で8mKに冷却して核偏極させた。^<75>SeFeは0.2、2、6Tの外部磁場共鳴を観測して内部磁場を67.9(7)Tと決定した。^<90>NbCuは12Tでの強磁場をかけて、核偏極させて共鳴を観測した。2319keVγ線をブローブとして^<90>Nbの共鳴を56.4504(5)MH z と得た。半値幅は23(1)kHzであった。これは此れまでの報告より半値幅狭くナイトシフトを無視すると磁気モーメントは4.93704(5)μ_Nになる。また緩和時間の測定もおこなった。詳しいデータは現在解析中。 ^<101m>Rhは307keVγ線を観測して共鳴を得た。外部磁場12、10、8、6、4Tに対してそれぞれ共鳴を得た。外部磁場12Tに対してはモジュレーションの幅+-5kHzで観測して中心周波数110.856(1)MHz、幅は24kHzであった。周波数と外部磁場の関係がわずかであるが直線にならなかった。原因は現在検討中である。各外部磁場にたいしての緩和時間の測定も行った。ナイトシフトを無視すると磁気モーメントは5.43358(5)μ_Nになる。^<95.96>Tcは共鳴をサーチしたが現在のところ見つけられていない.緩和時間が早いか、ナイトシフトが大きいかと思われる。
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