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1999 年度 実績報告書

外部強磁場による低温核偏極を用いた核物理の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09440102
研究機関新潟大学

研究代表者

大矢 進  新潟大学, 理学部, 教授 (90092676)

研究分担者 西村 克彦  富山大学, 工学部, 助教授 (70218189)
大坪 隆  新潟大学, 理学部, 助手 (70262425)
キーワード外部強磁場 / 低温核偏極 / 核磁気共鳴 / 核磁気モーメント
研究概要

この研究の目的はこれまでの強磁性体の内部磁場を用いたNMR-ONの方法でなく、外部強磁場を用いた低温偏極核の核磁気共鳴(BF-NMR-ON)の方法で原子核、核物性の研究を行うものである.計画は平成9年度から3年計画である.
今年度は昨年度初めて観測した外部12Tでの銅中の^<101m>Rhの精密測定を行った。その結果12Tでの中心周波数110.876(1)MHz、幅は17(1)kHzであった。緩和時間は外部磁場12T,10T,8Tに対してそれぞれ13.5(62),18(2),84(41)sであった。周波数と外部磁場の関係がわずかであるが直線にならなかった。そこで良く知られた^<110m>AgAgを測定して磁場の絶対値と電流の関係を正確に測定することにした。濃縮された^<109>Ag箔を東海の日本原子力研究所の原子炉で照射して^<110m>AgAgを製作した。共鳴の測定は外部磁場12T,10T,8T,7T,6T,5T,4T,3T,2T,1Tで行なわれた。共鳴の巾は12Tで26(2)kHzと得た。その結果この場合も外部磁場と共鳴周波数は直線関係でないことが判明した。^<110m>Agの磁気モーメントとAg中のナイトシフトは知られているのでそれらを用いて磁場の絶対値の測定を行なった。その結果、^<90>Nbと^<101m>Rhの銅中のナイトシフトはそれぞれ求めた。^<95,96>TcCu、^<95,96>TcAg、^<101m>RhAu,^<101m>RhPtの試料では共鳴は観測されなかった。Γ線の温度依存の異方性から12Tかけたときの有効磁場はそれぞれ、11.8(1)T,11.5(1)T,11.2(1)T,10.9(1)Tであった。これはナイトシフトが大きいことを示している。またこのことは緩和時間が早いことを示している。
大阪大学RCNPのAVFサイクロトロンを用いて^<90>NbNbの試料を製作した。共鳴がえられて12Tで周波数は56.57(1)MHzであった。共鳴は10T,8Tでも得られ^<96>TcNbでも共鳴の観測に成功した。また^<90>NbNbでは緩和時間は209秒と得た。これらの新しい結果は論文として発表する予定である。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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