研究概要 |
外部強磁場を用いた低温偏極核の核磁気共鳴(BF-NMR-ON)の方法はこれまでの強磁性体の内部磁場を用いたNMR-ONの方法でなく、超微細相互作用のアノーマリイの情報無くてもで原子核のg因子を正確に求められる魅力的なものである。 試料の^<75>SeFe,^<90>NbCu,^<90>NbNb,^<96>NbNb,^<101m>RhCuはサイクロトロンの50、70MeVのαビームを用いて、^<75>Se,^<90>Nb,^<101m>Rhをそれぞれホスト金属に(厚さ2ミクロン)に反踏埋め込みを行って試料を制作した。此れを3He/4He希釈冷凍機で約10mKに冷却して核偏極させた。試料には垂直方向にNb_3Snの超伝導磁石による4Kでの12Tの強磁場がかけられた。この磁場の不均一性は製作会社の計算精度は1cmの球内では5X10^<-4>であった。^<75>SeFeは0.2,2,6Tでの外部磁場共鳴を観測して内部磁場67.9(7)Tと決定した. この実験で^0NbCu,^<90>NbNb,^<96>NbNb及び^<101m>RhCuのBF-NMRONの共鳴の観測に成功した。^<90>NbCuと^<90>NbNbの外部磁場12Tでの共鳴周波数は56.448(2)MHz及び56.57(1)MHzであった。共鳴巾はそれぞれ21(1)と49(3)kHzであった。^<101m>RhCuは外部磁場12Tに対しては中心周波数110.878(1)MHz、幅は178(1)kHzであった。緩和時間の測定も行なわれた。周波数と外部磁場の関係がわずかであるが直線にならなかった。そこで良く知られた^<110m>AgAgを測定して磁場の絶対値と電流の関係を正確に測定するために、濃縮された^<109>Ag箔を原子炉で照射して^<110m>AgAgを製作した。共鳴の測定は外部磁場12から2Tで行なわれた。共鳴の巾は12Tで26(2)kHzと得た。その結果この場合も外部磁場と共鳴周波数は直線関係でないことが判明した。その結果、^<90>NbCu,^<90>NbNb,^<96>NbNb,^<101m>RhCuのナイトシフトをそれぞれ求めた。
|