研究課題/領域番号 |
09440105
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
與曽井 優 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80183995)
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研究分担者 |
中村 正信 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (90025479)
坂口 治隆 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30025465)
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キーワード | 陽子ノックアウト反応 / 深部空孔状態 / 荷電粒子崩壊 / ダブルアームスペクトロメータ / 薄い酸素ターゲット / ピークセンシングFERA / ペルチェ式冷却装置 / ΔE-E SSDボールテレスコープ |
研究概要 |
本研究では中間エネルギーの陽子ビームを用いて陽子ノックアウト反応を行ない、放出2陽子をダブルアーム・スペクトロメータで測定し、更に散乱槽回りに設置された崩壊粒子測定用の検出器によって残留核の高励起状態からの崩壊放出荷電粒子またはγ線を検出して、核の深部空孔状態を調べることを目的としている。本年度は、先ず本研究課題での実験プロ-ポ-ザルを執筆し、^<12>C、^<16>Oをターゲットとする実験が大阪大学核物理研究センターの実験採択委員会において認められた。それを受けて、主に崩壊荷電粒子の測定のための準備と開発を行なった。 1.崩壊荷電粒子を統計精度良く測定するために大立体角のΔE-E SSDボール・テレスコープの開発を進めてきた。初年度補助金の多くはこのΔE SSD検出器と読み出し回路の購入及びプログラマブル・ゲートアレイを用いたトリガー回路の設計のためのパーソナル・ワークステーションの購入等に当てられた。 2.本測定のもう一つの重要な要素は薄い^<16>Oターゲットの開発であるが、本年度は数μmのSiO_2(ガラス)とバックグラウンド差し引きのための薄いSiの開発を進め、両者とも5μm以下のほぼ使用可能と思われるものが製作できた。次年度早期にテストを行なう予定である。 3.崩壊荷電粒子測定においてはエネルギー分解能を上げて粒子識別の感度を向上させる必要があるが、そのためにΔE-E SSDテレスコープを冷却することが望ましい。簡易冷却システムとしてペルチェ素子を用いたものを考案し現在そのプロトタイプを試験中である。
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