研究課題
基盤研究(B)
一般相対論及び膨張宇宙論を中心とし、その周辺領域である数理物理学、高エネルギー宇宙線や銀河形成などの分野も含めた広範な分野の、国内外の研究者の間の研究連絡を行った。具体的な研究成果は、研究成果報告書にあるように、相対論、宇宙論の広範な分野に及ぶ。その項目は、一般相対性理論の検証、重力崩壊、重力波、重力レンズ、初期天体形成、大規模構造形成、銀河の形成とその進化、宇宙背景放射、宇宙モデル、ダークマター、インフレーションシナリオ、量子宇宙と超弦理論、軽元素起源、ガンマ線バースト、最高エネルギー宇宙線、などである。平成9年度はまず、宇宙の大規模構造の形成、またデータアナリシスにおける世界的権威であるY.Hoffman氏を京都大学に招聘し、「Data Analysis of a Cosmological Observation」についてのレビューとともに、当該分野における今後の共同研究の可能性も含め、議論を行った。さらに、当該研究課題の研究成果を問うために、国内研究会、学会はもとより、いくつかの国際会議において、研究成果発表を行った。例えば、国際天文連合の総会での宇宙論分科会「Cosmological Parameter and Evolution of the Universe」で、杉山が「Determination of Cosmological Parameters by Cosmic Microwave Background」のタイトルで招待講演を行った。また、西は「原始銀河雲の進化について」、中尾は「Gravitational Waves from naked singularitiesについて」などの内容で国際研究集会で口頭発表をおこなった。これらは研究成果が国際的にも高く評価されたものである、と受け止めている。平成10年度はまず、4月に開催された、国際研究集会、第49回山田コンファレンス「ブラックホールと高エネルギー天体物理学」を開催した。この研究会は外国からの招待講演者30名を含む、全体で140名ほどの大掛かりなものとなり、当該研究課題に関する最新の成果が披露されたとともに、活発な議論を通じて理解を深めることができた。さらには、11月には当該研究課題に関する国内研究集会「天体核研究会(一般相対論と宇宙論の展望)」を開催し、分担者を含む30名ほどの参加者を得て、活発な討論を展開することができた。以上のような研究集会を通じて、今後の当該研究分野の進む道筋を示すことができたものと自負している。その成果を問うべく、この年も、分担者の多くは国際会議に出席し、その成果を発表した。例えば、杉山は8月に「MPA/ESO Cosmology Conference: Evolution of Large-Scale Structure」(ドイツ)において、招待講演を行った。また、中尾は2月に「South African Relativistic Cosmology Conference」(南ア)において研究成果発表を行った。
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