研究分担者 |
山本 勲 岡山理科大学, 工学部, 教授 (50090220)
和田 倶典 岡山大学, 理学部, 助教授 (10033200)
高橋 保 大阪市立大学, 理学部, 教授 (20047137)
大原 荘司 奈良産業大学, 経済学部, 教授 (60194271)
辻 勝文 近畿大学, 理工学部, 助教授 (30088439)
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研究概要 |
8大学による大広域空気シャワー観測グループは,今年度中にすべての大学での観測が開始できるよう努力をしてきた。しかし,現在稼働中の観測装置をもつ大学は,近畿大学,奈良産業大学,岡山大学,岡山理科大学,大阪市立大学(三石)であり,全体として当初の計画より遅れぎみである。大阪市立大学では当初の計画のシンチレーション検出器3台から4台に変更し,構内で組立作業にはいっている。高知大学では15台のシンチレーション検出器などのハード部分は完成しており,データ取得用ソフトを至急開発し,まもなく稼動予定である。また,弘前大学ではハードは完成しており,ソフトを導入して調整中である(近畿大学ではこれらのソフトを公開している)。現在,グループ内で公開できるようデータ整備をしているのは近畿大学,奈良産業大学,岡山大学,岡山理科大学であり,インターネットで相互にデータの交換を行い解析に使用している。我々のカオス解析法では,図形認識過程を含むためオペレーターの判断を必要としたが,このオペレーターが判断していたフラクタル次元数の決定部分を自動化し,データ数の増加に対応した。他の実験グループからのイベントで,トリガーレイトが我々の約10倍のデータに対しても,カオス特性を示しており,さらに最大リアプノフ指数による判定でも,カオスであることが確認されていることなどから,宇宙線カオスの存在については,間違いないものと考えている。その物理的意味を探るため,カオス特性を示すイベント列の平均到来方向に異方性がないかを調べている。また,GPS時計による時刻データを用いて,離れた観測地点における同期するイベントを調べた。これら相互交換データの中,1996年9月から1997年10月の期間のデータ解析によれば,同期イベントは見いだせなかった(チャンスコインシデンスは100年に1回と見積もられる)。
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