研究分担者 |
山本 勲 岡山理科大学, 工学部, 教授 (50090220)
和田 倶典 岡山大学, 理学部, 助教授 (10033200)
高橋 保 大阪市立大学, 理学部, 教授 (20047137)
大原 荘司 奈良産業大学, 経済学部, 教授 (60194271)
辻 勝文 近畿大学, 理工学部, 助教授 (30088439)
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研究概要 |
大広域空気シャワー観測グループの観測装置の整備が進み、現在稼働中の観測装置をもつ大学は,近畿大学(2ヶ所),奈良産業大学,岡山大学,岡山理科大学,弘前大学、大阪市立大学(杉本町)、高知大学となった。我々は、各大学の観測データを近畿大のデータサーバーに置きインターネットによる相互利用を可能とした。また、カオス性特徴を示す宇宙線カオスデータとランダムノイズとの違いを明らかにし、その物理的意味は何かを探るため、さらに解析を進めてきた。今回、ランダムノイズにはない特徴としてつぎのような結果を得た。 1.Grassberger-Procacciaのフラクタル次元解析手法に基づき、明確にカオス性を示す宇宙線データ列について、その前後のデータ列を詳しく調べたところ、更に、それらの中にカオス性を示すものが存在した。観測時間にすると、カオス性を示すデータ列が2〜3日以上に亘り連続していることになり、これらは3〜4ヶ月に1回程度の頻度で観測された。 2.連続カオス性を示すデータ列は、約23時間の周期性を示した。 3.明確にカオス性を示すデータ列のみについて、その平均到来方向をプロットすると、ほぼ2つの方向(赤経4時、14時)の周りに集まる傾向を示した。 地球上の定観測地点において、このようにある期間、周期的にカオス性が連続観測されたということは、地球の自転を考えると、本来カオス性を示す宇宙線が、宇宙のある方向から来ていると考えることと矛盾しない。最近、コンパクト星からのX線強度変化にカオス性が観測されていることなどから、我々のこの観測を説明できる宇宙線発生源として、連星SS433が放出するジェットに注目して検討している。
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