研究課題/領域番号 |
09440112
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
小林 正明 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40013388)
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研究分担者 |
竹内 富士雄 京都産業大学, 理学部, 教授 (40121537)
椎野 二男 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (20092231)
吉村 善男 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50013397)
千葉 雅美 東京都立大学, 理学部, 助手 (60128577)
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キーワード | π^+π^-原子 / シンチファイバー検出器 / Siストライプ検出器 / dE / dx測定器 / 低ノイズ高速前置増幅器 / カイラル摂動論 / QCDの検証 |
研究概要 |
高エネルギー(24GeV/c)の陽子が重い標的に衝突する時の二次粒子の中に、非常に近接した(数mm)2個の荷電粒子の存在を判定して100ns以内にトリガーパルスを出す事が、物理実験(DIRAC)の成功の為に非常に重要で、この為に位置測定用のシンチファイバー検出器とdE/dx測定用のSi検出器を開発してきた。シンチファイバー検出器は製作を終わり11年度8月からの本実験で初期の性能を発揮している。読み出しのエレクトロニクスは強いビーム強度(測定器上で10MHz)に対応して改善を加えてきた。dE/dx測定器は当面はプラスチックシンチレーターを用いているが、開発中の高精度Siストライプ検出器にやがて置き換える予定。1昨年度購入したSiウェーハーを昨年度はプリント基板にマウントし、前置増幅器、波形整形増幅器を開発したが、今年度は全体を一つの測定器に組み立ててノイズを測定した。電荷積分時定数240nsの前置増幅器(Clearパルス社と共に開発したCR2924)と整形増幅器をSi検出器につないだ最終状態で、ENC(Equivalent Noise Chargeで43pF程度の入力容量に対する入力換算のσ)は現在3300eで目標3000eに近づいた。1チャネル独立で測定すると2500eなので、多チャネルの隣接による浮遊容量がノイズを増加させているらしい。今後ノイズの更なる低減を計る。実験用に3面分(X,Y,X′方向)を量産しアイソトープと宇宙線によるテストを始めているが、その後強いビームで最終テストをする。このような応答が早く(30ns)ノイズの小さいdE/dx用のSi検出器は世界で初めてのもので、是非2000年度には実用化させて2001-2002年の実験では使いたいし、更に性能の向上も行いたい。
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