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1999 年度 実績報告書

リラクサ-強誘電体の基礎機能発現の起因

研究課題

研究課題/領域番号 09440122
研究機関早稲田大学

研究代表者

上江洲 由晃  早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063744)

研究分担者 山田 安定  早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (00028101)
キーワードリラクサー / 強誘電体 / Pb(Mg1 / 3Nb2 / 3)O_3 / 長距離秩序 / 時間発展型GL方程式 / 複屈折 / 中性子散乱
研究概要

リラクサーは巨大でブロードな誘電率のピークを室温付近で示すにもかかわらず,極低温まで長距離秩序が発達しない特異な強誘電体である。前年度までに,電場を極性軸方向に加えた場合には,長距離秩序すなわち自発分極が発達すること,しかしゼロ電場のもとでの温度下降(ZFC),電場のもとでの温度上昇(FH),電場のもとでの温度下降(FC),そのあとのゼロ電場での温度上昇(ZFCaFH)では全く異なる経路を辿ることを,複屈折の測定から見出した。このような現象は,低温での電場が準安定状態にあり,長い緩和時間で長距離秩序が発達することを予想させる。今年度は,低温で温度を固定し,電場を印加したときに発達する長距離秩序の時間変化を,光学的な手段で測定観察した。この結果,次のことを明らかにした。
(1)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3(PMN)の場合,長距離秩序は極端に長い待ち時間の後に,急激に発達する。この待ち時間は,電場と温度に依存し,分極消失温度から低温側になればなるほど大きくなる。時には数日に達する。電場が大きくなると,逆に短くなる。
(2)PMNにPbTiO3を3%固溶させた系においては,PMNと同様な超長緩和現象が観測されるが,この場合には長距離秩序が2段階で発達する。これはリラクサー中の極性ナノ領域がマクロな領域に発達し,次にそれがさらに大きな分域を形成する過程と考えられる。
(3)中性子散漫散乱から特徴的なパターンが観察され,これを極性ナノ領域のまわりの歪み場によるものとして時間発展型Ginzburg-Landaurironn理論を用いて説明した。このモデルでは,リラクサーにおける長距離秩序は,この歪み場の競合によって阻止させる。このような立場から,電場のもとでの長距離秩序の発達の定量的解析を現在行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 岩瀬.上江洲.山田他: "Neutron scattering study of structural change in relaxor"J.Phys.Chem.Solids. 60. 1419-1421 (1999)

  • [文献書誌] 藤城.上江洲.山田他: "Optical and Structural studies of the evolution of long-range order"J.Phys.Soc.Japan. (印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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