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1998 年度 実績報告書

相転移に伴う格子歪みの場のダイナミックス

研究課題

研究課題/領域番号 09440133
研究機関東京大学

研究代表者

加倉ヰ 和久  東京大学, 物性研究所, 教授 (00204339)

研究分担者 西 正和  東京大学, 物性研究所, 助手 (90156034)
中島 健次  東京大学, 物性研究所, 助手 (10272535)
藤井 保彦  東京大学, 物性研究所, 教授 (00013524)
キーワード中性子散乱 / スピンエコー実験法 / 相転移
研究概要

今年度は昨年度に続き、日本原子力研究所JRR-改3号炉に設置された熱中性子スピンエコー分光器の性能改善が行われ、具体的な実験が実施される予定であったが、平成10年8月から平成11年3月までのJRR-改3号炉の運転停止により計画の一部しか実施出来なかった。
1) より強い偏極中性子強度を得るために熱中性子用ポラライザー・反射型ホイスラー単結晶を磁化させるための永久磁石の磁場の接続部分の検討が終了し、永久磁石及びヨークが購入された。
2) スピンエコー分光法の性能改善として、スピンエコー分解能を観測しようとする励起の分散関係にマッチさせるgradient coilの設置を完了し、現在テスト中である。またこのgradient coilの設置により分光器の磁場電流パラメターが多数になるために(12個のコイルによる磁場制御が必要!)非弾性散乱スピン・エコー実験シミュレーション・プログラムが整備され、昨年度得られたテスト実験の解析及びこれからのgradient coilを用いた実験のシミュレーションを実施中である。
3) この熱中性子スピンエコー法を適応出来るであろうと思われる動的歪を持つ物質の研究として、スピン・パイエルス物質CuGeO_3,NaV_2O_5等における非弾性中性子散乱実験を実施した。
4) この熱中性子スピン・エコー法の新しい応用としてヘリカル磁性を持つHoで磁気ブラッグ反射近傍において透過ビーム中でLarmor歳差運動の位相シフトが初めて観測された。これはヘリカル秩序の特長として現われるサテライト・ピークが一つのスピン状態のみをプラッグ散乱する事により起こり、中性子スピンのLamor歳差運動が量子力学的には二つの異なるスピン波動関数の重ね合せであることを明らかにしている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kakurai,K.: "Thermal Nentron Spin Echo Option on PONTA" Neutron Network News. 7・3. 23-28 (1997)

  • [文献書誌] Nishi,M.et al.: "Magnetic Excitations of GuGeO_3 under Applied Pressure" Physica B. 241-243. 537-539 (1998)

  • [文献書誌] Yosihama,T.et al.: "Magnetic Excitations in Sgin-Peierls Compound NaV_2O_5" Physica B. 241-243. 543-545 (1998)

  • [文献書誌] Kakurai,K.& Morii,Y.: "Neutron Scattering Activities at JRR-3M" Neutron News. 9. 15-22 (1998)

  • [文献書誌] Achiwa,N.et al.: "Larmor precession of neutron spin through helical magnetic cryoralof nolnium" Physica B. 241-243. 1204-1206 (1998)

  • [文献書誌] Yosihama,T.et al.: "Spin Dynamics in NaV_2O_5-Inclastic Neutron Scattering" J.Phys.Soc.Japan. 67・3. 744-747 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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