研究概要 |
科研基盤B(1998)報告 重い電子系化合物Ce(Ru1-xRhx)2Si2は1)x<0.03,フェルミ液体,2)0.03<x<0.4,SDW,3)0.4<x<0.5,非フェルミ液体,4)x>0.5,局在型のスピンの反強磁性等多彩な基底状態が現われる。この混晶系の研究に特に力を注いだ。 (I)重い電子系化合物Ce(Ru1-xRhx)2Si2(x=0,0.03and0.05)はKondo効果により約5K以下非常に狭い準粒子バンド(〜30K)が形成されフェルミ液体になる。準粒子のスピンの揺らぎと相転移について研究した。 (イ)比熱、帯磁率の結果をSCR理論により解析しJ.Phys.Soc.Jpnに投稿した。 (ロ)電気抵抗、μSRによる研究。論文投稿準備中(フランスとの共著)。 (ハ)中性子散乱実験。論文準備中。また、ドイツの共同研究継続中。 (II)重い電子系化合物Ce(Ru1-xRhx)2Si2(x=0.3,0.4and0.5)の量子相転移(T=0)に関する研究。 (イ)比熱、帯磁率の結果の一部はPhysica B(1998)に掲載される。また、本論文をJ.Phys.Soc.Jpnに投稿予定。 (ロ)μSR及電気抵抗。(1)の結果と共にフェルミ,非フェルミ液体中のスピンの揺らぎに関する論文を投稿準備中。 (III)CeRh2Si2の中性子散乱による研究。Phys.Rev.B(1998)に掲載予定。 (IV)U2Rh3Si5は四重極相転移を伴った反強磁性相転移を示す。熱膨張、磁歪についての研究がPhys.Rev.B(11月、1997)に掲載された(オランダのグループとの共著)。また、強磁場(20T)でのメタ磁性転移について解析中(オランダのグループとの共同研究)。
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