研究課題/領域番号 |
09440143
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
池田 宏信 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研, 教授 (90013523)
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研究分担者 |
古坂 道弘 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研, 助教授 (60156966)
伊藤 晋一 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研, 助手 (00221771)
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キーワード | 中性子散乱 / パルス中性子 / フラクタル / パーコレーション / 自己相関関数 / 高エネルギー分解能 / スピン拡散 |
研究概要 |
数ある興味深い物理現象の中で、1個の粒子が媒質内を拡散する現象を散乱手法によって観測することは極めて困難であった。このような未解明の物理現象の中には、(1)フラクタル格子上を運動する粒子の従う拡散則(異常拡散則)、(2)低次元格子上のスピンの遅い拡散現象(ロング・タイム・テイルの問題)、(3)常磁性状態でのスピンダイナミクス、等の問題がある。 中性子非弾性散乱実験によって得られる散乱関数S(q,w)を運動量空間で積分すると、厳密に自己相関関数の時間に関するフーリエ変換に等しくなる。これまでの中性子散乱実験では試みられなかったが、近年のパルス中性子散乱実験手法の進展により、逆転配置型中性子分光器が開発され自己相関関数の直接観測が可能となった。これによって、自己相関関数のエネルギー(従って、時間)依存性がはじめて観測でき、上記研究課題の解明が期待されている。 本年度は、2次元イジング反強磁性体Rb_2CoF_4の高温度での常磁性状態で自己相関関数を測定し(エネルギー分解能は50μeV)、ローレンツ型のエネルギースペクトルを得た。これは、パーコレーション点近傍の試料で観測した"べき"関数型のスペクトルと対比すべきもので、パーコレーション磁性体中のフラクタル格子の異常拡散則の存在を支持するものである。 さらに、3次元ハイゼンベルグ・パーコレーション磁性体RbMn_<0.39>Mg_<0.61>F_3の高エネルギー分解能実験(15μeV)により、長波長のスピン波が波長が短くなるにつれフラクトン励起へクロスオーバーする現象をはじめて観測した。
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