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1998 年度 実績報告書

放射光X線回折による層状ペロブスカイト型酸化物の電荷・スピン秩序化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09440144
研究機関高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

村上 洋一  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (60190899)

研究分担者 有馬 孝尚  筑波大学, 物質工学系, 助教授 (90232066)
田中 雅彦  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60249901)
キーワード強相関電子系 / マンガン酸化物 / 電荷秩序 / 軌道秩序 / 放射光 / X線回折 / ペロブスカイト / 共鳴X線散乱
研究概要

今年度は、以下のペロブスカイト型マンガン酸化物を対象として、その電荷と軌道の秩序状態を、放射光共鳴X線散乱の手法を駆使して観測した。これらの研究を通して、電荷と軌道秩序観測のための観測手法が確立してきた。一方、各系での電荷とスピンと軌道の秩序状態と物性の関連を議論することにより、これら電子の3つの内部自由度間の協力/競合関係が少しずつ明らかになりつつある。
1. LaMnO_3系
この系の研究により、ATS(.Anisotroppy of the Tensor Susceptibility)散乱の手法が、軌道秩序観測に有効であることを示した。また、理論的にATS散乱のミクロなメカニズムを初めて明らかにした。本系では、軌道秩序の秩序パラメーターの温度依存性が特徴的な2段階秩序化を示すことを実験的に明らかにした。
2. La_<0.5>Sr_<1.5>MnO_4系
本系は昨年から引き続き研究を行っているが、新たに分かった事は、電荷秩序状態が、混合原子価状態ではなく、確かにMn^<3+>とMn^<4+>の空間的な秩序状態が存在しているということである。電荷秩序転移点以上では、その配置がランダムになっている。
3. LaSr_2Mn_2O_7系
本系は、MnO層が2層重なったものを単位とした、2次元系である。電荷と軌道秩序が存在する中間温度領域の相を見出した。さらに低温に下げると、これらの秩序は破壊される。そこでは、系は金属的になっていると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Murakami et al.: "DIRECT OBSERVATION OF CHARGE AND ORBITAL ORDERING IN La_<0.5>Sr_<1.5>MnO_4" Physical Review Letters. 80. 1932-1935 (1998)

  • [文献書誌] Y.Murakami et al.: "RESONANT X-RAY SCATTERING FROM ORBITAL ORDERING IN LaMnO_3" Physicel Review Letters. 81. 582-585 (1998)

  • [文献書誌] 村上洋一 他: "層状ペロブスカイト型マンガン酸化物の電荷・軌道秩序の直接観測" 日本放射光学会誌. 11. 30-37 (1998)

  • [文献書誌] 村上洋一: "放射光X線回折による構造物性研究" RADIOISOTOPES. 48. 63-71 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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