1999 年度実績報告書

放射光X線回折による層状ペロブスカイト型酸化物の電荷・スピン秩序化の研究

研究課題

研究課題/領域番号	09440144
研究機関	高エネルギー加速器研究機構
研究代表者	村上洋一高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (60190899)
研究分担者	有馬孝尚筑波大学, 物質工学系, 助教授 (90232066) 田中雅彦高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60249901)
キーワード	強相関電子系 / マンガン酸化物 / 電荷秩序 / 軌道秩序 / 放射光 / X線回折 / 共鳴X線散乱 / ペロブスカイト
研究概要	これまで、主に、層状ペロブスカイト方マンガン酸化物を対象として、その電荷・スピン・軌道自由度の秩序状態を、放射光共鳴X線回折の手法を開発することにより、明らかにしてきた。今年度は、以下のような物質系に対象を広げ、その軌道状態を決定することを目的に研究を進めた。明らかになったことを物質系別に箇条書きにする。 1.Pr_<1-x>Ca_xMnO_3:電荷と軌道秩序の転移点以上で、それらの短距離秩序の観測に初めて成功した。電荷の相関距離は軌道のそれよりもずっと長いことが分かった。2.LaSr_2Mn_2O_7:中間温度相(100K<T<210K)においてのみ、電荷と軌道の秩序が存在することを直接的に確認した。それらの秩序は温度を下げるに従って、低温相でゆっくりと相関長が短くなり消えていくことを見つけた。3.a_<1-x>Sr_xMnO_3:x=0で実現している軌道秩序とx=0.12付近で実現している軌道秩序はその起源が全く違うことを明らかにした。4.Nd_<0.5>Sr_<0.5>MnO_3:典型的なCEタイプの電荷と軌道秩序を初めて直接観測した。5.YTiO_3:メインエッジだけでなくプリエッジでも共鳴X線散乱を観測し、そのミクロなメカニズムに対して実験側から提案を行った。6.YVO_3:温度を変化させたときの、軌道秩序状態の変化と磁気構造の変化の対応を明らかにした。7.La_<1-x>Sr_xMnO_3人工格子:軌道超格子の存在を示唆した。また、層間方向の電荷の分布を決定した。現在、実験を継続中である。8.DyB_2C_2:f電子系の軌道秩序(4重極秩序)を初めて観測することに成功した。同時に、共鳴磁気散乱も観測した。

研究成果
(8件)

すべてその他

すべて文献書誌 (8件)

[文献書誌] Y. Endoh et. al.: "TRANSITION BETWEEN TWO FERROMAGNETIC STATES DRIVEN BY ORBITAL ORDERING IN La_<0.88>Sr_<0.12>MnO_3"Phys. Rev. Lett.. 82. 4328-4331 (1999)
[文献書誌] K. Nakamura et. al.: "POLARIZATION-DEPENDENT RESONANT-X-RAY-DIFFRACTION IN CHARGE-AND ORBITAL-ORDERING PHASE OF Nd_<1/2>Sr_<1/2>MnO_3"Rhys. Rev. B. 60. 2425-2428 (1999)
[文献書誌] M. Izumi et. al.: "STRUCTURE CHARACTERIZATION AND MAGNETIC PROPERTIES OF OXIDE SUPERALATTICES La_<0.6>Sr_<0.4>FeO_3"Phys. Rev. B. 60. 1211-1215 (1999)
[文献書誌] Y. Murakami et. al.: "DIRECT OBSERVATION OF CHARGE AND ORBITAL ORDERING BY RESONANT X-RAY SCATTERING"Jnr. J. Appl. Phys.. 38-1. 360-364 (1999)
[文献書誌] M. V. Zinunermann et. al.: "INTERPLAY BETWEEN CHARGE, ORBITAL, AND MAGNETIC ORDER IN Pr_<1-x>Ca_xMnO_3"Phys. Rev. Lett.. 83. 4872-4875 (1999)
[文献書誌] K. Hirota et. al.: "DIRECT OBSERVATION OF ANTIFERRO-QUADRUPOLAR ORDERING --- RESONANT X-RAY SCATTERING STUDY OF DyB_2C_2 ---"Phys. Rev. Lett.. (印刷中). (2000)
[文献書誌] 村上洋一他: "磁気測定I"丸善株式会社. 334 (2000)
[文献書誌] 村上洋一他: "結晶解析ハンドブック"共立出版株式会社. 673 (1999)

1999 年度 実績報告書

放射光X線回折による層状ペロブスカイト型酸化物の電荷・スピン秩序化の研究

研究代表者

村上 洋一 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (60190899)

研究成果

[文献書誌] Y. Endoh et. al.: "TRANSITION BETWEEN TWO FERROMAGNETIC STATES DRIVEN BY ORBITAL ORDERING IN La_<0.88>Sr_<0.12>MnO_3"Phys. Rev. Lett.. 82. 4328-4331 (1999)

[文献書誌] K. Nakamura et. al.: "POLARIZATION-DEPENDENT RESONANT-X-RAY-DIFFRACTION IN CHARGE-AND ORBITAL-ORDERING PHASE OF Nd_<1/2>Sr_<1/2>MnO_3"Rhys. Rev. B. 60. 2425-2428 (1999)

[文献書誌] M. Izumi et. al.: "STRUCTURE CHARACTERIZATION AND MAGNETIC PROPERTIES OF OXIDE SUPERALATTICES La_<0.6>Sr_<0.4>FeO_3"Phys. Rev. B. 60. 1211-1215 (1999)

[文献書誌] Y. Murakami et. al.: "DIRECT OBSERVATION OF CHARGE AND ORBITAL ORDERING BY RESONANT X-RAY SCATTERING"Jnr. J. Appl. Phys.. 38-1. 360-364 (1999)

[文献書誌] M. V. Zinunermann et. al.: "INTERPLAY BETWEEN CHARGE, ORBITAL, AND MAGNETIC ORDER IN Pr_<1-x>Ca_xMnO_3"Phys. Rev. Lett.. 83. 4872-4875 (1999)

[文献書誌] K. Hirota et. al.: "DIRECT OBSERVATION OF ANTIFERRO-QUADRUPOLAR ORDERING --- RESONANT X-RAY SCATTERING STUDY OF DyB_2C_2 ---"Phys. Rev. Lett.. (印刷中). (2000)

[文献書誌] 村上洋一 他: "磁気測定I"丸善株式会社. 334 (2000)

[文献書誌] 村上洋一 他: "結晶解析ハンドブック"共立出版株式会社. 673 (1999)

1999 年度実績報告書

村上洋一高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (60190899)

[文献書誌] 村上洋一他: "磁気測定I"丸善株式会社. 334 (2000)

[文献書誌] 村上洋一他: "結晶解析ハンドブック"共立出版株式会社. 673 (1999)