研究課題/領域番号 |
09440144
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
村上 洋一 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (60190899)
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研究分担者 |
有馬 孝尚 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (90232066)
田中 雅彦 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60249901)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 強相関電子系 / マンガン酸化物 / 電荷秩序 / 軌道秩序 / 放射光 / X線回折 / 共鳴X線散乱 / ペロブスカイト |
研究概要 |
高温超伝導や巨大磁気抵抗効果などの強相関電子系の研究を通して、"電子のもつ3つの内部自由度(電荷・スピン・軌道)の秩序状態とそれらの結合状態が、系の物性に決定的な影響を与える"という認識が広く受け入れられるようになってきた。本研究では、当初、層状ペロブスカイト型酸化物を対象として、その電荷・スピン秩序化の研究を行ってきた。ところが、研究の進行に伴い、電子のもう1つの自由度である軌道に関しても、放射光共鳴X線散乱という新しい実験手法によって、直接的にその秩序状態が観測できることを発見した。軌道秩序の観測のための他の実験手法は非常に限られていたため、本手法は大いに注目を集めることなった。本手法の発見当時は、軌道秩序の対称性しか議論できなかったが、集中した手法開発により、現在では、軌道状態の定量的な議論を行うことができるようになった。 放射光X線の持つ3つの特徴、エネルギー可変性・高輝度・偏光特性を駆使したこの共鳴X線散乱法を主として用い、多くのペロブスカイト型酸化物の電荷・軌道秩序状態を明らかにしてきた。特に最近の大きな成果は、"電荷・軌道短距離秩序の観測"と"人工格子における軌道超格子の観測"である。この短距離秩序の観測により、対象とした系での電荷・軌道相転位のメカニズムに関して知見を得ることができた。一方、軌道超格子の観測は、電子移動をミクロに制御した将来の電子デバイスへの発展に大きな寄与ができるものと期待している。
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