研究課題/領域番号 |
09440150
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久我 隆弘 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60195419)
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研究分担者 |
上妻 幹旺 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (10302837)
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キーワード | レーザー冷却 / ボースアインシュタイン凝縮 / 原子波干渉計 / コヒーレント原子波増幅 / 共振器量子力学 / 真空ラビ分裂 |
研究概要 |
98年末に実現したルビジウム原子ボーズ凝縮体(BEC)の特性解明を行った。 光定在波による原子波のブラッグ反射を利用した原子波スプリッター・全反射鏡を作成し、それによりマッハツェンダー型の原子波干渉計を構築した。原子波の経験する経路に差を設けることで原子波干渉を100%のコントラストで観測できた。これまでは70%程度が限界であったため、今回の改良により高感度・高分解能な計測への応用に道を開いた。 また、BEC原子に非共鳴光を照射して原子波が増幅される現象を世界で初めて観測し、それがコヒーレント増幅作用であることを上述の原子波干渉計により確認した。この効果を利用すれば、原子レーザーの高出力化が期待される。 光と原子の相互作用の基礎として、1原子と1光子の相互作用の様子を実時間で観測した。真空槽内に高Q値微小共振器を設置し、冷却されたルビジウム原子が通過する際の共振器からの透過光強度を測定する。原子は共振器内の1光子と相互作用すると、共鳴周波数がラビ分裂するため、その効果が透過光強度の変化として観測される。今回は数光子と1原子の相互作用の効果が観測された。また、高次の共振モード(TEM01)を用いた1光子による1原子の捕獲法を提案し、予備実験としてTEM01による1原子観測信号を得た。今後は、原子が共振器内に侵入した際に光周波数をシフトさせて1光子による1原子捕獲を実現させる。
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