研究課題/領域番号 |
09440154
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
河本 敏郎 神戸大学, 理学部, 助教授 (70192573)
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研究分担者 |
國友 正和 神戸大学, 理学部, 教授 (40031348)
福田 行男 神戸大学, 理学部, 教授 (40025482)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | ストカスティック共鳴 / 光双安定性 / ノイズ光 |
研究概要 |
ストカスティック共鳴とはコヒーレントな信号とランダムノイズとの協力効果によって出力の信号雑音(S/N)比が共鳴的に増大する現象である。ノイズ印可によるS/N比の増大という奇妙な性質にもかかわらず、様々な系において起こりうることが知られている。入力ノイズ強度を制御することによって出力のS/N比が制御できるという点から、ストカスティック共鳴は信号処理、とくに元信号処理への応用が期待できる。この点からも光学的な系を用いたストカスティック共鳴の研究は重要であり、本研究はこの基礎をなすものである。 1.正弦波入力に対するストカスティック共鳴を、光変調器を用いたハイブリッド型光双安定系において観測した。実験から、ノイズ相関時間が短いほどS/N比のピーク値が大きく、共鳴の幅が狭く、ピークを与えるノイズ強度が小さいという結果が得られた。 2.単純な双安定モデル(4次関数の双安定ポテンシャル項をもつ過減衰系のLangevin方程式)を用いた計算機シミュレーションの結果は、実験結果を良く再現した。 3.ランダムな2進のビット列を入力した双安定系におけるストカスティック共鳴の実験とシミュレーションを行った結果、双安定系を通過させることによって情報伝達の利得が得られること、また、共鳴や情報の利得はノイズ相関時間が信号のクロック周期より短いときに顕著であることがわかった。 4.画像データを双安定系に入力した場合のシミュレーションを行った結果、出力画像の鮮明度がストカスティック共鳴特有の振る舞いを示すことがわかった。この結果は、ノイズを加えることによって画像がより鮮明になることを意味し、信号処理への応用の可能性を示すものである。
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