研究課題/領域番号 |
09440170
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小野 高幸 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10141996)
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研究分担者 |
飯島 雅英 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80232114)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 「あけぼの」衛星 / オーロラ電離層 / 静電気ホイッスラーモード波 / 瞬時正バースト / データベース / ビーム型プラズマ不安定 / 低エネルギー電子流 / ブラズマ波動 |
研究概要 |
「あけぼの」衛星による極域プラズマ波動観測結果中には、オーロラ電離層内にて20msec〜200msecの極めて短寿命の瞬時性プラズマ波動現象が頻繁に観測されている。本研究は、この多発瞬時性プラズマ波動バースト現象の発生の原因とそのメカニズムを明らかにすることを目的としている。平成9年度〜10年度を通じて、研究代表者、小野高幸は極域電離層内プラズマ波動分散関係並びに波動粒子相互作用の理論研究を基に短寿命の瞬時性プラズマ波動現象の解明を行った。また研究分担者、飯島雅英は観測データの収集とともに、データ編集と解析並びに結果の表示とデータベースへの登録作業を実施した。この結果プラズマ波動分散関係を得る、きわめて応用範囲の広い計算機プログラムが開発され、多方面への応用が始められた。また「あけぼの」衛星によるプラズマ波動観測結果について1989年の衛星観測開始より、1996年までの全観測期間についてのデータ編集とデータのクイックルックについてのデータベース化が完了した。 本研究の成果として、まず、瞬時性プラズマ波動バースト現象が静電的ホイッスラーモードであることを衛星のスピンによる強度変調の性質を利用して示すことができた。さらに現象の出現領域が2000km以下の低高度電離圏に集中していることを突き止めることができた。理論研究ではオーロラ電離層内に発生する数eVの低エネルギー電子ビームにより引き起こされる静電的ホイッスラーモードプラズマ波動について、プラズマ波動分散関係の計算に基づく理論研究を実施した。この結果、現象の周波数スペクトルやきわめて短かい継続時間などの重要な特徴を呈する瞬時性プラズマ波動バースト現象が、低エネルギー電子ビームによる波動粒子相互作用の結果発生した、静電的ホイッスラーモード波であるとの結論を得ることができた。
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