研究概要 |
1. 木星シンクロトロン電波観測の受信機部の製作が行こなわれた。最低検出感度0.1ジャンスキーを実現するために必要な前置増幅部を開発し,受信機雑音温度75Kというい低雑音前置増幅器を完成させた。 2. 高精度の木星シンクロトロン電波観測に必要な受信機較正システムを開発・製作し,所期の性能を持つシステム完成させた。 3. 製作された受信機部・較正部を,前年度に設置した9基の大型アンテナに接続して,観測システムの性能確認試験を行い,初期の設計値どうりであることを確認した。 4. 名古屋大学太陽地球環境研究所の木曽観測所及び富士観測所の327MHz電波望遠鏡を用いた木星メートル波の同時観測を,5月から8月まで及び11月-12月の期間に行った。観測は,木星が南中する時間帯において実施し変動の絶対値を正確に求める事ができた。観測データは,木星が通過した後の背景銀河電波構造の観測を待って行われる。 5. 通信総合研究所の34mパラボラアンテナを用いた木星デシメートル電波の観測から検出された,短期変動(数日から10日の時間スケール)シンクロトロン電波強度の存在を確認した。これらの成果をもとに,太陽UV/FUVの増大が,木星大気に中性風を誘起しこの効果が木星内部磁気圏に粒子の拡散を増強するモデルを提唱し,国際誌(Geophysical Research Letter)に,発表した。
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