研究概要 |
顕微鏡画像解析は,岩石鉱物および古生物をあつかうすべての地球科学分野の共通の関心事となっている.本研究では,走査型レーザー顕微鏡を用いた岩石組織の可視化および画像処理の方法を開発し,特に再結晶機構の解明に応用することを目的としている. 本年度は,岩石鉱物に最適の汎用走査型レーザー顕微鏡を設計することからはじまった.具体的には,生物用レーザー顕微鏡FLUOVIEW(オリンパス光学工業株式会社製)をベースに、以下の改良を加えた. (1)反射および透過レーザー光の光路に偏光フィルタを挿入。 (2)カラー画像を得るために、標準装備のkr-Ar イオンレーザーユニット(青・緑色レーザー光発振)以外に、赤色 He-Ne レーザーユニットを付加。 (3)光学顕微鏡本体にも偏光顕微鏡(BX50-33p)を用いる。 岩石組織の表面形状観察(反射共焦点)においては,化学エッチングすることによって,結晶粒界を可視化することができた.透明鉱物においても,無蒸着で鮮明な像を得ることができたが,細粒の場合,ニュートンリングがさけられないという問題も明らかになってきた.蛍光観察では,堆積物中の自発蛍光を鮮明に可視化することに成功した.透過偏光観察においては,R・G・B レーザー画像の重ねあわせにより,岩石薄片の干渉色・多色性をあらわすことができた.現在,反射・透過の両モードで偏光観察ができるための,光路について検討中である.
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