• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

二次イオン質量分析計による酸素同位体比の微少領域分析に基づく隕石研究

研究課題

研究課題/領域番号 09440183
研究機関東京大学

研究代表者

比屋根 肇  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70192292)

キーワード二次イオン質量分析計 / 難揮発性包有物 / 酸素同位体 / マグネシウム同位体 / カリウム同位体 / 炭素質隕石 / 同位体異常
研究概要

変成度の少ない炭素質隕石であるKainsaz隕石(タイプCO3.3)の薄片に対して、その中に含まれる難揮発性包有物(CAI)、とりわけヒボナイト包有物を中心にして、イオンマイクロプローブによる多元素の同位体分析を試みた。大部分の包有物およびコンドルールの酸素同位体組成の分析値は、通常のCAIと同じ混合線上に乗り、同位体異常の最大値は-40〜-50パ一ミルであった。しかし、ひとつのヒボナイト包有物(#2)はそれから大きくはずれ、デルタ18の値はほぼ正常(+6パーミル)であるにもかかわらず、デルタ17の値が-14パーミルと、非常に低い値を示した。このような酸素同位体組成は、いわゆるFUNと呼ばれる包有物の示す組成に近い。次に、同じ包有物(#2)に対して、マグネシウムおよびカリウムの同位体測定をおこない、包有物形成時に存在したA1-26(半減期72万年)、Ca一41(半減期10万年)の存在度を調べてみた。その結果、A1-26/A1-27〜5x10E-5、Ca-41/Ca-40〜1E-8という値が得られた。これは「正常な」酸素同位体組成を持つCAIに見られるのと同程度の同位体異常である。今回の結果は、従来知られていたFUN包有物の特徴、すなわちA-26、Ca-41の同位体異常をわずかしか持たないとの予想をくつがえすものである。この事実は、FUN包有物に見られる酸素同位体の大きな質量分別を起したイベントが、太陽系形成の最初期、すなわちCAI形成とほぼ同時期に生じたことを示している。今回の結果は、難揮発性包有物を生成した原始太陽系星雲内でのブロセスに対して、大きな制約条件を与えるものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hiyagon H. and Hashimoto A.: "^<16>O excesses in olivine inclusions in Yamato-86009 and Murchison chondrites and their relation to CAIs"Science. 283 ・5. 828-831 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi