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2000 年度 実績報告書

上部マントル構成鉱物の超高圧高温下での熱拡散率測定

研究課題

研究課題/領域番号 09440188
研究機関岡山大学

研究代表者

桂 智男  岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (40260666)

研究分担者 神崎 正美  岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (90234153)
キーワードコランダム / オングストローム / 熱拡散率 / 格子振動 / ウムクラップ
研究概要

本年度は、深部マントルのアルミニュウム含有相のひとつと考えられているコランダム(Al2O3)に対して測定を行った。用いた試料は、試薬のAl2O3を1700Kで1晩焼いた粉末である。この粉末を2%のエポキシで固め、円筒状に加工した。試料に挿入する二つの熱電対の絶縁を良好にするため、内側の熱電対はアルミナの碍子に通した。測定は円筒対称系のオングストローム法で行った。温度波の周期は8秒、振幅は2.2-2.7Kである。1データセットは1024点含み、4周期のシグナルが入っている。測定速度は32sample/secである。2点で計測された温度波データはFFTにより目的の周期の振動だけ取り出し、位相差から熱拡散率を計算した。測定温度は350-1500K、圧力は0GPaと6GPaである。
0GPa、6GPaとも熱拡散率は温度上昇と共に減少した。熱拡散率の逆数である熱抵抗率は絶対温度に対し線形に上昇する。係数aは約420(s/m2)/Kである。圧力上昇と共に熱拡散率は増大する。0GPaから6GPaの間に、350Kでは46%上昇するが、上昇する割合は温度と共に減少し、1500Kでは8%に過ぎない。言い換えると、係数aは圧力効果は検出できない。すなわち、格子振動の非調和性による熱抵抗(ウムクラップ過程)は圧力が上昇しても減少しない。逆に、格子の非完全性による熱抵抗は減少している。上記の測定結果は、通常の熱拡散率の理論からは理解しがたいものとなっており、さらに結果の検討が必要である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Fukui,H.,Ohtaka,O.,Nagai,T.,Funakoshi,K.,Utsumi,W.Katsura,T.: "Melting of Portlandite up to 6GPa"Phys.Chem.Mineral.. 27. 367-370 (2000)

  • [文献書誌] Ono,S.,Ito,E.,Katsura,T.,Yoneda,A.,Walter,M.J.,Urakawa,S.,Utsumi,W.,Funakoshi,K.: "Thermoelastic properties of high-pressure phase of SnO_2 determined by in situ X-ray observations up to 30 GPa and 1400K"Phys.Chem.Mineral.. 27. 618-622 (2000)

  • [文献書誌] Sato,K.,Katsura,T.: "Experimental investigation on dolomite dissociation into aragonite+magnesite up to 8.5 GPa"Earth Planet.Sci.Lett.. 184. 529-534 (2001)

  • [文献書誌] Ono,S.,Katsura,T.,Ito,E.,Kanzaki,M.,Yoneda,A.,Walter,M.J.,Urakawa,S.,Utsumi,W.Funskoshi,K.: "In situ observation of ilmenite-perovskite phase transition in MgSiO_3 using synchrotron radiation"Geophys.Res.Lett.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Sato,K.,katsura,T.: "Sulfur : a new solvent-catalyst for diamond synthesis under high pressure and high temperature conditions"J.Crystal Growth. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Katsura,T.,Mayama,N.,Shouno,K.,Sakai,M.Yoneda,A.,Suzuki,I.: "Temperature derivatives of elastic moduli (Mg_<0.91>Fe_<0.09>)_2SiO_4 of modified spinel"Phys.Earth Planet.Int.. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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