研究課題/領域番号 |
09440191
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
増澤 敏行 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (40023858)
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研究分担者 |
濱 健夫 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (30156385)
鈴木 光次 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (40283452)
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キーワード | 植物プランクトン / 微量元素組成 / 高速液体クロマトグラフィー / 植物色素 / ICP発光分光分析 / 中性子放射化分析 |
研究概要 |
海洋植物プランクトンによる生産物は、海洋の物質循環の出発物質であり、微量親生物元素もまたそれに乗って循環しているとい考えられるが、その組成データが欠如している。本研究は、珪藻が卓越する高緯度の海域で植物プランクトン試料を採集し、全試料の多元素組成を中性子放射化分析法により求め、またその主構成成分組成および主構成成分画分への主・微量元素の分画法を開発しその組成を求めるとともに、植物プランクトンの種組成ならびに海域間でのこれらの関係を明らかにすることを目的として、以下の研究を行っている。ノンメタルNORPAC二重構造ネット(25-335um)により、昨年の北部北太平洋およびベーリング海航海に引き続き、東京大学海洋研究所白鳳丸のKH98-4次航海で、北太平洋北西部で植物プランクトン試料の採集を行ない、船上で脱塩処理を行った。これら乾燥試料に対して、中性子放射化分析による多元素同時定量を行った。本年度は、植物プランクトン試料を、海塩、炭酸カルシウム、有機物、オパール、残査である粘土分に分画する、分画による重量変化に基づく主構成成分の分画定量法ならびに、主微量元素のそれぞれの画分への分画法の基礎的検討と開発を行った。その結果、有機物部分がほぼRedfield比に近い炭素、窒素組成を持ち、重量基準オパールと比色基準オパールがほぼ等しいことが確認された。また、北部北太平洋およびベーリング海域では、植物プランクトン試料中の炭酸カルシウム含有量が小さく、有機物およびオパールが主要な部分を占め、両者は相互希釈の関係にあった。さらに、粘土含有量は、大変小さく、陸より遠い試料ほど小さかったが、しかし、必ず含まれていた。粘土分からの溶出の寄与を評価して、有機物部分に含まれる微量元素組成を求める見通しを得た。
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