研究概要 |
1.溶液用X線小角散乱セルを製作した。セル本体にはインコネルを、窓にはダイヤモンドを用いた。圧力および温度範囲はそれぞれ0.1〜200MPaと25〜400℃で使用可能であることを確認した。Ornstein-Zernile-Debye式より相関距離を、Zernike-Prins式より動径分布関数を、Guinierプロットよりクラスターの慣性半径・クラスターサイズを求める解析方法を確立した。 2.溶液用中性子小角散乱セルを製作した。セル本体にはインコネルを、窓材にはサファイアを用いた。圧力および温度範囲はそれぞれ0.1〜200MPaと25〜400℃で使用可能であることを確認した。同位体置換データを基に、O-H,H-H,O-O相関に関する(2)と同様な小角散乱パラメータを求める方法を確立した。 3.溶液用高温高圧XAFSセルを製作した。セル本体にはインコネルを、窓にはダイヤモンドを用いた。圧力および温度範囲はそれぞれ0.1〜200MPaと25〜400℃で使用可能であることを確認した。解析プログラムとしてUWXAFSを使用可能にした。 4.臨界点測定装置を製作した。セル部にはインコネルを、窓にはダイヤモンドを用いた。圧力および温度範囲はそれぞれ0.1〜200MPaと25〜400℃で使用可能であることを確認した。温度はコンピュータにより±0.01℃に制御可能である。 5.1.82M塩化ナトリウム水溶液について、27℃、100MPa及び200MPa、150℃で100MPaでX線回折測定を行った。その結果、Na+およびCl-イオンの水和構造は測定温度圧力範囲で変化はないが、氷類似の四面体構造が温度圧力の上昇とともに破壊されていくことが明らかになった。
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