研究分担者 |
永澤 明 埼玉大学, 理学部, 教授 (40108452)
斉藤 英樹 埼玉大学, 理学部, 助手 (90272278)
熊倉 茂和 埼玉大学, 理学部, 助教授 (50008843)
杉原 儀昭 埼玉大学, 理学部, 助手 (00272279)
石井 昭彦 埼玉大学, 理学部, 助教授 (90193242)
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研究概要 |
l.ジチイラン新規合成法の開発:テトラチアンをジメチルジオキシランで酸化したのち,後処理をすることにより,分子内にケトンなどの官能基を持たないジチイランオキシドの合成に初めて成功した. 2.ジチエットの化学:ジチエットをヒドリド還元後,塩化チオニルやジクロロフェニルホスフィンと反応させたところ環拡大した5員環生成物が得られた. 3.テトラチオランの化学:ヒドラゾンと一塩化硫黄との反応によるテトラチオランの合流については先に報告した.今回は,テトラチオラン合成の収率改善を目的に,チオケトンと一塩化硫黄の反応を行い,中程度の収率で得ることに成功した.テトラチオランのリン試薬による反応を行ったところ,硫黄が一つあるいは二つだけ脱硫したジチイラン,トリチエタンの生成は確認されずチオケトンのみを与えた. 4.トリチオシンの反応に関する研究:ベンザインとエチレントリチオカーボナ-トより調製したスルホニウム塩と各種求核試薬との反応を行い,2-位に置換基を持つジベンゾ-1,3,6-トリチオシン誘導体を合成することに成功した. 5.母体チオフェン1,1-ジオキシドの合成と単離に関する研究:チオフェンを低温下ジメチルジオキシランと反応させた後,減圧下溶媒等を留去することにより母体チオフェン1,1-ジオキシドを純粋なものとして単離することに初めて成功した.また,各種機器分析を行いチオフェン1,1-ジオキシドの構造を明らかにした. 6.環状オリゴ(チオ-2,5-チエニレン)類の合成と機能性に関わる研究:オリゴ(チオ-2,5-チエニレン)のNBSによる選択的ジブロモ化反応,つづく銅触媒在下での硫化ナトリウムによる環状チオエーテル化反応を用いることで環状4量体および6量体(硫黄架橋型カリックスチオフェン)の合成に成功した.環伏6量体のX線結晶構造解析を行った結果,架橋硫黄同士が椅子型をした配座をしていることがわかった.
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