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1997 年度 実績報告書

高配位有機リン化合物の新規な性質の解明およびWittig反応への応用

研究課題

研究課題/領域番号 09440218
研究機関広島大学

研究代表者

秋葉 欣哉  広島大学, 理学部, 教授 (20011538)

キーワード有機リン化合物 / 高配位 / 超原子価 / 擬似回転 / 位置異性体 / 酸化的閉環 / Wittig反応 / Z-オレフィン合成
研究概要

1)Berry擬似回転機構における不安定中間体の単離とそれを用いる位置異性化機構の研究:Martinリガンドを2個もつスピロP-H(エクアトリアル)ホスホラン1に対して2当量のアルキルリチウムを反応させると、アルキル基が導入された単環式のP-H(アピカル)ホスホラン2が高収率で得られた。2をピリジン共存下にテトラヒドロフラン中で加熱すると、脱水素反応により、アピコフィリシテイに反するO-シスホスホラン3が主生成物として得られ、通常予期されるO-トランスホスホラン4が副生成物として得られた。3はBerry擬似回転機構において仮定されている種々の不安定な位置異性体のうち安定に単離された始めての例である。そこで、3を高選択的に合成するために、2を低温下でジリチオ化し、酸化反応による閉環を試みた。過酸化水素、過安息香酸、臭素、ヨウ素のうち、ヨウ素が3を高収率(70-98%)で与えた。n-ブチル体については、3-R体と3-S体間の異性化の、種々のアルキル体については3から4への異性化の活性化エネルギーを求めた。
2)5配位ホスホランを用いる高-Z選択的Wittig反応の開発:1とブロモ酢酸エチルを塩基共存下で反応させ、エステル基をもつ5配位ホスホラン5を合成した。5を脱プロトン化後、種々のアルデヒドと反応させたところ、予期せぬことにZ-オレフィンが高収率(>98%)で得られた。
この反応を拡張するとともに、その機構を種々検討した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Kajiyama: "Synthesis and characterlzation of Intra-and Intermolecular Hydrogen Bonding Isaners of P-H (apical) Phosphoranes Bearing Hydroxyl Group" Tetrahedron Letters. 37. 8409-8412 (1996)

  • [文献書誌] S.Kojima: "First Characterization of a 10-P-5 Spirophosphorane with an Apical Carbon-Equatorial Oxygen Ring.kinetic Studies on Pseudorotation of Stereoisomers" Journal of American Chemical Society. 118. 12866-12867 (1996)

  • [文献書誌] S.Kojima: "Hexacoordinate Phosphates Bearing an Oxaphosphetane Ring-Characterization and Stereomutation" Tetrahedron Letters. 38. 547-550 (1997)

  • [文献書誌] S.Kojima: "Excellent Z-Selective Olefin Formation Using Pentacoordinate Spirophosphoranes and Aldehydes.Wittig Type Reaction via Hexaccordinate Intermediates." Journal of American Chemical Society. 119. 5970-5971 (1997)

  • [文献書誌] S.Kojima: "Stereochemistry of Nucleophilic Substitution Reactions of Sterically Rigid Phosphoranes." Tetrahedron Letters. 38. 4107-4110 (1997)

  • [文献書誌] G.Yamamoto: "Synthesis of μ-oxobridged group 15 elemont/aluminium heterodinuclear porphyrins." Chemical Communications. 1325-1326 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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