研究課題/領域番号 |
09440235
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
原田 義也 千葉大学, 工学部, 教授 (20013477)
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研究分担者 |
奥平 幸司 千葉大学, 工学部, 助手 (50202023)
上野 信雄 千葉大学, 分子科学研究所, 教授 (40111413)
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キーワード | 固体表面 / 電子分光 / 単分子膜 / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
固体表面を積極的に二次元の反応場とみなし、その上での異種分子の拡散とそれに伴う分子間の二次元空間反応(表面最外層反応)を研究した例はほとんどないと思われる。本研究では、よく規定された(well-defined)固体表面上における、分子の吸着、拡散、および分子間の二次元空間反応の動的過程を我々が最近開発したメタステーブル電子放射顕微鏡(MEEM、メタステーブル原子の衝突に伴って表面から放出される電子を電子レンズで結像させる装置)を用いて、表面のミクロ局所領域で、リアルタイムで観測しようとするものである。 1 フタロシアニン類の単分子膜をグラファイト、MoS_2等の基板の上に蒸着して、通常の表面解析手段である低速電子回折(LEED)、オージェ電子分光(AES)、角度分解光電子分光(ARUPS)、高分解能電子エネルギー損失分光(HREELS)、ペニングイオン化電子分光(PIES)等でcharacterizationを行った。 2 現有のMAES装置のMCP検出部にOCDカメラを直結した。このカメラをデータ解析装置につないでMEEM像の画像処理を行い、高感度リアルタイムでMEEM像を観測するシステムを完成した。 3 MEEM装置の試料室に蒸着基板(グラファイト、MoS_2等)を取り付け、それを加熱により清浄化した。清浄化の過程はPIES、LEED、EELS等で局所的に確かめた。 4 フタロシアニン類の超薄膜(1-数層)を基板上に真空蒸着で作り。蒸着時と蒸着後の基板温度を調整して分子配向を制御し、MEEMを用いて、薄膜最上層における分子の拡散過程およびメタステーブル原子の衝突による反応過程をミクロ領域のPIESとエネルギー選別像をモニターしながら観測した。
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