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1998 年度 実績報告書

ポーラロンを介した局在スピン整列系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 09440237
研究機関東京大学

研究代表者

菅原 正  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50124219)

キーワードニトロニルニトロキシド / ポリピロール / ESR / 三重項 / 交換相互作用
研究概要

前年度の研究により、ピロールのN位に直接ニトロニルニトロキシド(NN)を置換したN-NN-ピロールは、一電子酸化しても三重項種を与えないのに対し、ピロールのN位とNNの中にp-フェニレン基を挿入したN-(p-NN-フェニル)ピロールや、ピロールのβ位にNNを置換したβ-NN-ピロールは、一電子酸化により、三重項を与えることが見出された。
今年度は、これらスピン分極型NN置換ピロールの重合反応性を検討した。残念ながらこれらのNN置換ピロールは、NN基の電子的効果により、重合反応性を示さないことがわかった。これに対し、β-NN-ピロールの前駆体であるヒドロキシルアミン体は、電解酸化によりポリマーを与える。しかしながら、このポリマーを種々の条件で酸化しても、NN体へと酸化することができなかった。
以上の知見をもとに、再度反応性をもつスピン分極型ピロールの分子設計を行ない、ピロールの両α位に重合反応部位として、チオフェン環を置換したNN誘導体が、本研究の目的に最適の構成単位であるとの結論を得た。合成経路を検討し、最近その合成に成功した。
新しく得られたモノマーを重合して得られるポリマーを、p-ドープした試料の磁性・導電性には、大変興味が持たれる。将来の課題として、本研究期間の終了後も研究を継続する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Okuno 他6名: "Reactivity of Mesogenic Diacetylenes Coupled with Phase Transitions Between Crystal and Liquid Crystal Phases" J.Chem.Soc., Perkin Trans.2. 889-895 (1998)

  • [文献書誌] A.Sasaki 他3名: "Chemical Consequences of Arylnitrenes in the Crystalline Environment" Bull.Chem.Soc.Jpn.71. 1259-1275 (1998)

  • [文献書誌] G.Ono 他3名: "Structure and Physical Properties of a Hydrogen-Bonded Self-Assembled Material Composed of a Carbamoylmethyl Substituted TTF Derivative" J.Mater.Chem.8(8). 1703-1709 (1998)

  • [文献書誌] T.Matsuo 他5名: "Calorimetric Study of Proton Tunneling in Solid 5-Bromo-9-Hydrozyphenalenone and Deuteration-Induced Phase Transitions Its Deuteroxy Analog" J.Chem.Phys.108(23). 9809-9816 (1998)

  • [文献書誌] Y.Noda 他4名: "Phase Transitions of Isolated Intra-Molecular Hydrogen-Bonded Systems, MeHPLN and BrHPLN" J.Korean Phys.Soc.32. S8-S10 (1998)

  • [文献書誌] Y.Iwasa 他4名: "High Yield Selective Synthesis of C60 Dimers" J.Chem.Soc., Chem.Commun.1411-1412 (1998)

  • [文献書誌] 菅原 正, 泉岡 明: "日本化学会編,学会出版センター" 有機導電体の設計と合成 化学総説「π電子系有機固体」, 3-20 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2013-12-24  

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