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1998 年度 実績報告書

ゼオライト触媒上での炭素-炭素結合の生成過程

研究課題

研究課題/領域番号 09440248
研究機関国立科学博物館

研究代表者

若林 文高  国立科学博物館, 理工学研究部, 主任研究官 (30158589)

キーワードゼオライト / MTGプロセス / 酸点 / 赤外分光法 / 触媒作用 / 反応機構 / 拡散反射法 / ジメチルエーテル
研究概要

MTG反応(Methanol-to-Gasoline Reaction)はメタノール(MeOH)からガソリンを合成する重要な反応で、ゼオライトの最も重要な触媒作用の一つである。しかし、最初の炭素ー炭素結合が生成する機構についてはよくわかっていない。本研究はその最初の炭素ー炭素結合がどのような機構で生成するかを分光学的に明らかにすることを目的とする。
その第1段階としてMeOHからジメチルエーテル(DME)が生成する反応について検討し、反応が進行している条件下で生成するゼオライトの吸着メトキシ種が、気相にMeOHが存在するとMeOHと反応して吸着DMEを生成することがわかった。最近の密度凡関数法等の量子化学的計算は、メトキシ種を経由する経路は、2分子のMeOHがワンステップでDMEを生成する経路よりもエネルギー的に不利であるという結果を与えているが、本研究の実験結果では、この反応が実際に進行する温度領域でメトキシ種が十分な反応性を持つこと、そのときDMEが実際に生じていることを示した。こうした実験と理論計算の結果の違いの原因についてはさらに詳しく検討する必要がある。この分野は実験だけ、あるいは理論計算だけからは核心に迫ることが困難で、両者の結果をつきあわせることによってより真実に迫ることができると考えられる。この実験結果は、ボルチモアで開催された第12回国際ゼオライト会議で発表した。
また、今までの赤外測定は透過法を用いて行ってきたため、測定できるサンプル、波長領域に制約があったので、粉末状態のままで測定でき、より高波数側(特に4,000cm^<-1>から7000cm^<-1>で測定可能な拡散反射法での測定をするため、その準備を行った。そのための拡散反射装置、同装置用真空反応装置の設備を購入し、現在、測定の準備を進めている。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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