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1999 年度 実績報告書

二酸化炭素を超臨界流体とするキレート配位子による金属イオンの抽出分離とその機構

研究課題

研究課題/領域番号 09440250
研究機関茨城大学

研究代表者

大橋 弘三郎  茨城大学, 理学部, 教授 (60007763)

研究分担者 折山 剛  茨城大学, 理学部, 助教授 (90185687)
井村 久則  茨城大学, 理学部, 教授 (60142923)
キーワード超臨界 / 二酸化炭素 / 長鎖2-メチル-8-キノリノール / パラジウム(II) / 抽出定数
研究概要

超臨界二酸化炭素による金属イオンの選択的分離についての基礎的データを集積することを目的として、長鎖8-キノリノール誘導体による塩酸酸性溶液からのPd(II)の超臨界二酸化炭素への抽出平衡及び抽出分離を支配する因子について検討した。抽出平衡に達する速度は、塩化物イオン濃度の増大とともに減少し、超臨界抽出反応の律速段階は通常の液液抽出と同様にPd(II)に配位したCl^-のHMQによる置換反応であると考えられる。分配比は、水素イオン濃度に依存し、水素イオン濃度が0.01M以下ではその減少と共にPd(II)の分配比が増大している。また、水素イオン濃度が0.1M以上ではその増大と共に分配比が増大し、通常の液液抽出では見られない現象が認められた。スロープ解析より、水素イオン濃度が低い領域ではPd(II)はPd(A)_2として抽出され、抽出定数(Kex=[Pd(MQ)_2[Cl^-]^4[H^+]^2[PdCl_4^<2->][HMQ]_2)として0.67が得られた。塩酸濃度が0.1M以上の条件下では、Pd(II)はH_2PdCl_4として超臨界二酸化炭素相に抽出されることが明らかになった。抽出定数(Kex=[H_2PdCl_4][PdCl_4^<2->]^<-1>[H^+]^<-2> )として1.24が得られた。抽出挙動は圧力に大きく依存し、圧力の増加に伴い抽出率は増大し、圧力を変化させることによってPd(II)の抽出率を自由に制御できることが分かった。
8-キノリノール誘導体によりPd(II)の超臨界二酸化炭素への抽出分離が可能であることが明らかにされた。更には、有機溶媒や有機配位子を一切用いない、クリーンなPd(II)の抽出プロセスの開発の可能性が示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] KOUSABURO OHASHI: "Distribution Behavior of 2-methyl-5-hexyloxymethy-8-quinainol between Supercritical CO_2 and water"Chem.Lett.,. 32-33 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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