• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

哺乳動物の突然変異制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 09440255
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

関口 睦夫  福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00037342)

研究分担者 作見 邦彦  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50211933)
下川 英俊  福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50122792)
伊東 理世子  福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10140865)
キーワード活性酸素 / 遺伝子障害 / 酸化塩基 / 突然変異 / 変異タンパク / DNA修復 / 遺伝子 / 塩基置換
研究概要

これまでの大腸菌を用いた研究から、酸化DNAの修復にはMutMとMutYの2つの遺伝子産物が働いており、また酸化されたグアニンを含むDNA前駆体の排除にはMutT遺伝子産物が働いていることが明らかにされた。本研究の目的は哺乳動物細胞における類似のタンパクを同定し、疾患との関連を明確にすることにある。本年度の研究においては、まずマウスとヒトについてMutTのホモログであるMTH1遺伝子を同定し、その構造を明らかにした。
ヒトのMTH1遺伝子は5つのエキソンから成り、その全長はほぼ10kbである。これから転写されるmRNAは様々の異なった構造をとり、合計7種類の異なるmRNAがつくられることがわかった。いずれのmRNAもコーティング領域を含むが、その合成の率は異なっている。特に注目されることは、個人によっていくつかのmRNA分子種の合成がないことで、これはスプライシングをうける部位の塩基置換によることが明らかとなった。マウスにおいてもヒトとほぼ同じ構成の遺伝子が見出され、そのエキソン周辺の配列も共通していた。その転写調節領域についても詳しい解析を行った。
ヒトの集団についてエキソン領域内の塩基配列を調べたところ、ある家系では塩基置換の結果アミノ酸が変化しているMTH1タンパクがつくられることがみつかった。すなわち83番目のValがMetに変化しているものがあり、この変異型タンパク(Met^<83>)は正常型(Val^<83>)に比べ熱により不安定で、かつ種々の物理化学的性質に違いがあることがわかった。その他にも表現型に現れない塩基置換も見出された。これらの変異がどのような結果をもたらすかについて今後研究する必要がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Igarashi et al.: "Organization and expression of the mouse MTH1 gene for preventing transversion mutation" J.Biol.Chem.272. 3766-3772 (1997)

  • [文献書誌] J.-P.Cai et al.: "Significance of the conserved amino acid sequence for human MTH1 protein with antimutator activity" Nucleic Acids Res.25. 1170-1176 (1997)

  • [文献書誌] H.Yakushiji et al.: "Biochemical and physicochemical characteritation of normal and variant forms of human MTH1 protein with antimutagenic activity" Mutation Res.384. 181-194 (1997)

  • [文献書誌] D.W.Porter et al.: "Sensitivity of E.coli(Mut T)and human(MTH1)8-oxo-dGTPase to in vitro inhibition by carcinogenic metals" Carcinogenesis. 18. 1785-1791 (1997)

  • [文献書誌] F.Taddai et al.: "Transcriptional errors caused by oxidative damage are counteracted by MutT protein" Science. 278. 128-130 (1997)

  • [文献書誌] H.Oda et al.: "Regulation of expression of the human MTH1 gene encoding 8-oxo-dGTPase:Alternative splicing of transcription products" J.Biol.Chem.272. 17843-17850 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi