研究概要 |
1, 器官分離に関する研究; シロイヌナズナの器官の分離、頂端分裂組織の分化、雌しべにおける隔壁と胚珠の形成に関与するCUC1とCUC2遺伝子の存在を明らかにし、CUC2をクローニングしていた。本年度(1)CUC2が胚発生以後も茎頂分裂組織から葉や花の原基が生じる時にその境目に発現すること、(2)花の各器官の間に発現すること、(3)雌しべの隔壁と胚珠に発現することを示した。さらに、CUC2類似のAtNAC1も同じ発現をすることを明らかにした。CUC2・AtNAC1を異所的に過剰発現する形質転換植物の作成全行い形質を解析している。CUC1もマップに基づいてクローニングしている。 2. シュートの重力屈性に関する研究; シロイヌナズナのシュートの重力屈性に関与するSGR1〜7、胚軸と根の重力屈性に関与するRHG・SLRを同定していた。本年度はSLR遺伝子がオーキシンの刺激伝達系に関わる核内因子のIAA14であることを明らかにし、この遺伝子が胚軸の伸長過程で果たす役割を分子遺伝学的に明らかにした。さらに、SGR2遺伝子のクローニング全ほぼ終了し、この遺伝子が刺激伝達や胚発生過程における細胞分裂の調節で果たす機能を調べる基礎を得た。また、SGR4が胚軸や花柄の内皮細胞の分化に影響する際に、オーキシンが重要な働きをする可能性を遺伝学的に示した。そしてこの遺伝子のクローニングを強力に推進した。
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