• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

光化学系II反応中心の分子構築とその動態の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09440268
研究機関岡山大学

研究代表者

佐藤 公行  岡山大学, 理学部, 教授 (10032822)

キーワード光化学系II反応中心 / D1タンパク質 / psbA遺伝子 / C-末端プロセシング / Mn-クラスター / ランダム突然変異
研究概要

1 D1タンパク質のランダムなアミノ酸置換による光化学系II反応中心の構造と機能の解析
これまでの研究で,形質転換の容易なSynechocystis sp.PCC6803株を用いて,光化学系II反応中心のサブユニットの1つであるD1タンパク質をコードする遺伝子psbA上の広領域にランダムな突然変異誘発を行い,得られた変異株の光独立栄養性喪失を目安とするスクリーニングにより,150株に及ぶ光化学系II機能欠損株を作出した。これら変異株のうち,D1タンパク質を多量に蓄積する株を選び,その光化学系IIの諸特性を解析した。これらの変異株は多様な特性を備えているので,その結果は多岐にわたるが,例えば非ヘム鉄のリガンドと考えられるH272のRへの置換株では変異部位が還元側であるにもかかわらずMn-クラスターが形成されず水分解系が機能しないなど,光化学系IIの構造機能ならびにより一般的にタンパク質の構造・機能相関を考える上で重要な多くの知見が多数得られた。
2 光化学系II反応中心D1タンパク質前駆体のカルボキシル末端(C-末端)プロセシングに関する解析
(1) Synechocystis sp.PCC6803株を用いるパルスチェイス実験から,この株では16残基のアミノ酸よりなるC-末端延長部分の切除が2段階で行われている可能性を示し,さらにこの2段階プロセシングの特徴づけを行った。また,得られた結果とD1タンパク質アミノ酸配列の比較に基づいて,生物種により配列も長さもかなり異なっている延長部分の系統進化と未だ明らかにされていないその機能について,一つの提案を行った。
(2)新しいタイプのセリンプロテアーゼ(Ser/Lys型プロテアーゼ)であるD1タンパク質前駆体C-末端プロセシング酵素が,既知のプロテアーゼ阻害剤だけではなくPenem inhibitor(ある種のSer/Lys型プロテアーゼに有効)に対しても耐性であることを示した。このことから,この酵素の活性中心の構造は全くユニークであると結論された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Isono,K: "Molecular cloning of a cDNA encoding a novel Ca^<2+> dependent nuclease of A rabidopsis that is similar to staphylococcal nuclease"Biochim.Biophys.Acta. 1491(1-3). 267-272 (2000)

  • [文献書誌] Yamamoto,Y: "Overexpression and characterization of carboxyl-terminal processing protease for precursor D1 protein : Regulation of enzyme-substrate interaction by molecular environments"J.Biol.Chem.. 276(10). 7518-7525 (2001)

  • [文献書誌] Yamasato,A: "The establishment of conditions to efficiently screen photosynthesis-deficient mutants of Synechocystis sp. PCC 6803 by nitrofurantoin treatment"Plant Cell Physiol.. (印刷中).

  • [文献書誌] 佐藤公行(編者): "シリーズ光が拓く生命科学 第3巻「生命を支える光」"共立出版. 204 (2000)

  • [文献書誌] 佐藤公行(編者): "朝倉植物生理学講座「光合成」"朝倉書店(印刷中).

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi