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1999 年度 実績報告書

植物生殖における精子の螺旋形態・構造の意義の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09440272
研究機関筑波大学

研究代表者

堀 輝三  筑波大学, 生物化学系, 教授 (90057563)

研究分担者 野崎 久義  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40250104)
宮村 新一  筑波大学, 生物化学系, 講師 (00192766)
井上 勲  筑波大学, 生物化学系, 教授 (70168433)
キーワード雄性配偶子 / 精子 / コケ植物 / シダ植物 / 藻類
研究概要

平成11年の成果のあらましは、以下の通りである。
1 シダ植物カニクサ(Lygodium japonicum)の精子成熟、放出の過程を詳しく解析したところ、次のようなことがわかった。従来、シダ植物の精子は遊泳しながら造精器から外部に泳ぎ出ると理解されているが、実は造精器内では各精子はそれぞれの細胞壁に包まれており、そのなかで更に高粘液物質に埋まっている。精子の真の遊泳とは、この高粘液質からの脱却を指すのであり、しばしば起こる細胞壁に包まれたままの造精器外への放出は、機能性のある遊泳状態に至る中間段階であることがわかった。高粘液質から解放された直後の精子細胞体は一度長く伸びた長螺旋になり、直ぐに縮んだ螺旋精子となり泳ぎ始める。
2 昨年度、精子のもつ60-70本の鞭毛の基部は、細胞表面での配列パターンの違いにより、3グループに分けられることが明らかになった。高速度ビデオ顕微鏡による鞭毛本体部の運動パターンを解析したところ、3つのパターンが明らかとなった。その内、遊泳方向の軸に対し斜め上方に伸びる鞭毛群は上の第3グループ群であり、精子が活性を失い始める(即ち死に近ずく)と、遊泳軸に沿って運動することがわかった。
3 コケ植物5種の精子の遊泳運動様式を高速度ビデオ顕微鏡により解析した。いずれも、緑藻類遊泳細にみられる、バックワード・遊泳及びそのための鞭毛の逆転打はみられなかった。コケの精子は、障壁にぶつかると、細胞先端を鞭毛を使ってずらし、方向転換することがわかった。これは、生殖時に造卵器に達する長い空洞部分を通過しなければ卵に達しない行動に寄与していると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Matsunaga,T.Takahashi,M Watanabe,M.Sugai and T.Hori: "Control by ammonium ion of the change from step-up to step-down photophobically responding cells in the flagellatealga Euglena gracilis"Plant Cell Physiol.. 40・2. 213-221 (1999)

  • [文献書誌] T.Nakayama and I..Isoue: "Ultrastructure of the biflagellate gametes of Collinsiella cava(Ulvophyceae chlorophyta)"Pbycological Research. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] M.Moriya,T.Nakayama and I..Inouye: "Ultrastructure and 18SrDNA sequence analysis of Wobblia luuata gen.Et sp.nov.,a new heterotrophic flagellate"Protista. (印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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