| 研究課題/領域番号 |
09440284
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| 研究機関 | 九州大学 |
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研究代表者 |
中橋 孝博 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 助教授 (20108723)
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| 研究分担者 |
松田 裕之 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (70190478)
篠田 謙一 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30131923)
飯塚 勝 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (20202830)
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| キーワード | 弥生人 / ミトコンドリアDNA / 古人骨 / 古人口学 / 集団遺伝学 |
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| 研究概要 |
・福岡県筑紫野市、隈・西小田遺跡出土の弥生人骨、47個体の歯からミトコンドリアDNAを抽出し、Dループ領域の約200塩基を配列決定した。その結果、新たに12タイプの変異体が検出された。引き続き、30体余りの残りの弥生人資料についての分析を続行中である。
・上記のDNA分析に供した人骨資料を中心に、計測、及び観察による形態学的なデータ採集を行った。今後も歯を含めたデータ採取作業を続行し、各個体間の形態に基づく類縁関係の分析を行う予定である。
・これまでに得られたミトコンドリアDNAの分析結果に基づき、理論集団遺伝学的な方法(Kreitman & Hudson,1991)によって母集団の人口サイズの推算を行った。その結果、およそ3000〜6000人規模の遺伝子集団が浮かび上がった。一方、甕棺墓の数に基づく隈・西小田弥生人集団の人口規模の推定を行ったところ、およそ200〜400人程度との結果が得られた。遺伝子分析による結果は、婚姻関係を結んだ近隣集団を含めた数と見なされるので、現在、当該地域から実際に検出されている遺跡の分布状況を検討して、当時の通婚圏の描出を試みているところである。
・上記の分析に平行して、人口学的な手法による初期弥生社会の成立過程に関する論考「北部九州の縄文〜弥生移行期に関する人類学的考察」をまとめ、「Anthropological Science」の106巻(1998)に掲載される予定になっている。
以上の分析は、いずれも従来の我が国の人類学研究においては未開拓の分野であり、引き続き来年度も、手法の改良、考案を試みながら、日本人の成立に重要な役割を果たしたとされる北部九州弥生人とその社会の考察に取り組む予定である。
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