研究課題/領域番号 |
09450008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西永 頌 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10023128)
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研究分担者 |
成塚 重弥 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (80282680)
田中 雅明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30192636)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | GaAs / 分子線エピタキシ / 面間拡散 / μ-RHEED / MBE / 拡散距離 / ピラミッド構造 / 巨大ステップ / As_4分子 |
研究概要 |
本研究ではGaAs分子線エピタキシにおいて現れる様々なファセット間でのGaの表面拡散(面間拡散)の振舞を調べた。面間拡散は成長時微細構造がどのような面によって囲まれるかを決定する重要な現象で、As圧により大きく変化する。この過程でAs圧を変えることにより面間拡散の方向が反転する現象を見出した。これを利用し(111)B斜面、(001)頂上面のリッジ構造および(110)斜面、(111)B頂上面のピラミッド構造の先端形状を制御することに成功した。この二つの構造に対し先端がとがってゆく様子をmicroprobe-RHEED/SEM MBEにより実時間観察し、これを拡散方程式を解くことにより解析した。各面における表面拡散係数を仮定することにより実験と理論のよい一致を得た。 次にAs_2分子とAs_4分子ビームを用い、Gaが成長表面に到着してから結晶にとりこまれるまでの表面拡散距離を各As圧の関数として測定し、Gaをとり込む反応の次数を求めた。これによると、この両方のAs分子に対し、低As圧側で各As圧の一次に、高As圧側で2次に比例することが示された。また、As_2分子はAs_4分子に比べGaをより効率よく結晶に取り込むことがわかった。さらに、(111)BGaAs微傾斜基板上での原子スナップのバンチングをとり上げ、巨大ステップの形成過程をAFM及びmicroprobe-RHEED/SEMを用いて調べた。As圧が高い場合バンチングは起こらないが、低くするとバンチングが起こり、高さが2ナノメートルの巨大ステップが得られることがわかった。 最後に、量子化学計算を用い、As_4分子が単独でAs_2分子に分解する反応の活性化エネルギーとAs_4分子が2分子でAs_2分子に分解する時の活性化エネルギーを調べた。その結果、後者のほうが活性化エネルギーは低いことがわかりFoxonとJoyceのモデルは理論的にも裏付けられることがわかった。
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