研究概要 |
近接法により、SiCのエピタキシャル成長を行なった。原料は3C-SiCの高純度な多結晶プレートを,基板はAcheson基板のjust面,及びoff角のついた市販の6H-SiC基板を用いた. just基板を用いた成長では,表面モフォロジーが面極性や基板付近の過飽和度などに依存することがわかった.またSi面上の方が比較的スムーズなモフォロジーが得られた.C面上の成長速度はSi面上のそれより速かったが,表面は荒れる傾向を示した.しかしjust基板上では,成長層全面には鏡面性は得ることはできなかった.off基板上への成長では、成長速度の40〜200μm/hであった.また活性化エネルギーは147kcal/molであった.基板にoff角を導入した結果,成長層全面に鏡面性を得ることができた.しかし顕微鏡で観察すると,stepーbunchingが生じた.また反応空間内にTaを入れてやることでstep bunchingが見られなくなったことからstep-bunchingの形成には気相中の過剰なC成分が関わっている可能性がある.ラマン分析の結果,エピ層中のキャリア濃度が10^<19>cm^<-3>以上と非常に高いと推測された.PL測定の結果,成長速度が大きいエピ層からN中性ドナー束縛励起子発光が見られた.このことから成長速度を大きくすることにより,不純物濃度の低下に期待が持てる. Schottky diodeを製作しその特性を調べたが,得られた耐圧はわずか12Vであった.表面の平坦性の向上,キャリア濃度の低減が課題である.
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