研究概要 |
昇華近接法により、2200〜2400℃の温度領域で得られた成長速度は40〜200μm/hの高速成長が実現できた。またArrhenius plotより求められた活性化エネルギーは147kcal/molであった.基板にoff角をつけることにより,成長領域全面に鏡面性を得ることができた. しかし,5μm程度のテラス幅を持つstep-bunchingが生じた.<1120>off方向に向かってline-shaped shadowが見られたことから,成長がstep flowのメカニズムで促進されていることがわかった.表面モフォロジーは各パラメータによって左右されることがわかった.原料-基板間距離が小さくなると,step-bunchingと平行な30〜50μm周期の波状の起伏によるwavy-like morphologyが生じた.原料-基板間距離を大きくすると表面はスムーズになった.スペーサー内壁をTa-foilで覆うことにより,エピ層のモフォロジーは大きく変化した。Taを使い始めた初期の成長ではstep-bunchingがなくなり非常に平坦なエピ膜が得られた.またTa-foilを使った成長で得られたエピ層のPL測定測定温度11K)の結果,DAペア濃度が減少していることが確認できた.成長圧力を変化させることによって成長層内のNの不純物が低減できることがラマン分光法,フォトルミネッセンス法,ショットキーダイオードのC-V測定から分かった.アンドープの成長層では不純物濃度は7x10^<16>cm^<-3>まで低減できた.原料にp形基板を用いた場合,フォトルミネッセンス測定によってAlの取り込みが確認できた.成長層を用いてショットキーダイオードを製作したところ約40Vの耐圧が得られた.エッヂターミネーションを検討することによってより高い耐圧が得られるものと考えられる.
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