研究課題/領域番号 |
09450029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 横浜国立大学 (1998) 東京大学 (1997) |
研究代表者 |
多田 邦雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (00010710)
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研究分担者 |
荒川 太郎 横浜国立大学, 工学部, 助手 (40293170)
霜垣 幸浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60192613)
中野 義昭 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50183885)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 光変調器 / 光スイッチ / 量子井戸 / 変調ポテンシャル量子井戸 / ポテンシャル制御量子井戸 / 進行波型光変調器 / 偏光無依存光変調器 / ブルーチャープ光変調器 |
研究概要 |
1.5層非対称結合量子井戸(FACQW)の提案と設計: 通常の矩形ポテンシャル量子井戸と異なり、吸収端よりも十分に長波長側の透明波長域でも大きな電界誘起屈折率変化Δnを得ることが出来るような標記の量子井戸構造を提案した。AIGaAs系材料によるものについて具体的解析の結果、例えば吸収端よりも約40nm長波長側の830nm波長において、10kV/cmの電界で0.002程度という極めて大きなΔnが予測された。 2.超高速・低電圧光変調デバイスの実現: 上記FACQWの一応用として、世界最初の進行波型多重量子井戸光変調器を試作した。すなわちFACQWを20層積層した多重量子井戸層を先導波層に用い、アーム長2mmのマッハツェンダー干渉計型光変調デバイスに加工し、進行波型電極を装着した。光波長850nmにて実験し、変調遮断周波数55GHz、スイッチング電圧3Vという超高速・低電圧な特性が実測され、従来他の半導体光変調デバイスで報告されていた記録を更新した。 3.5層非対称結合量子井戸の検討と改良: FACQWでのΔnは上記実験から矩形ポテンシャル量子井戸におけるΔnの数倍程度であることが判明したが、理論値よりは約1桁小さいと推定された。この差の原因を解明し差を縮めていくことは今後の大きな課題であるが、その第一歩として、5層各層の層厚変動の影響についてシミュレーション解析により検討した結果、二三の手がかりを得ることができた。併せて、Δnを増大できる、あるいはΔnの線形性を改善できる別の量子井戸構造も見出した。 4.その他のポテンシャル制御量子井戸構造: 電界吸収多重量子井戸光変調デバイス用に、長波長1.55μm帯でも良好に偏光無依存動作する簡易な構造の量子井戸、ならびに全ての動作電圧領域でブルーチャープを生ずるような三重結合量子井戸を、それぞれ提案、研究した。
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