研究課題/領域番号 |
09450032
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
前田 三男 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (80037910)
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研究分担者 |
VASA N.J. 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (40294904)
興 雄司 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (10243908)
岡田 龍雄 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (90127994)
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キーワード | 色素レーザ / 可変波長レーザ / 超短パルス / 光集積回路 / 可飽和色素 / 分布帰還 |
研究概要 |
我々は将来に向けて可変波長レーザーの機能を一枚のチップ上に実現する「集積型可変波長レーザー」の研究を総合的に進めてきた。その中で分布帰還(DFB)を使った導波型色素レーザーを開発したが、このレーザーは有効長が5mm以下と短いために、ナノ秒のNd:YAGレーザーで励起すると自動的に数10ピコ秒のスパイク発振を起こした。本研究の目的は、一枚の平面導波路上に構成されたプラスチック色素レーザーにおいて、1ps以下の超短パルスを発生する1チップのデバイスを開発することにある。 本年度行った研究とその成果は以下の通りである。 1.ロ-ダミン6G色素をドープしたPMMA導波路をパルスNd:YAGレーザーで二方向から励起し、干渉によってDFBレーザー発振を得た。 2.DFBレーザーの発振は緩和発振のため多くのスパイクより成り立っている。干渉縞をクエンチする方法により2本目以下のスパイクの発生を抑え、単一スパイク化することを実証した。そのときのパルス幅は50ps程度であった。 3.このような方法で抽出した単一スパイクをさらにフェムト秒パルスにまで圧縮するためにロ-ダミン6Gと可飽和色素DODCIを交互にドープした導波路を通過させるパルス圧縮器を提案し、コンピューターシミュレーションで1ps以下のパルス発生が可能なことを示した。 4.その際ロ-ダミン6GとDODCIを混合してドープし、格子状マスクで励起光を遮るという簡単な構造の素子でも、同様のパルス圧縮が可能なことを計算で示し、予備的実験を行った。 次年度は、このような素子を用いてさらに短パルス圧縮の実験を行う予定である。
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