研究課題/領域番号 |
09450036
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
堀岡 一彦 東京工業大学, 大学院・(総合)理工学研究科, 教授 (10126328)
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研究分担者 |
青木 尊之 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (00184036)
中島 充夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (30198098)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | レーザー / 短波長化 / 軟X線 / プラズマ / 放電 / パルスパワー / Zピンチ / キャピラリー |
研究概要 |
軟X線領域で反転分布を形成するには、慣性核融合のドライバーレベルの巨大で高価な装置が必要であるというのが従来の常識であったが、高速のパルスパワー技術を利用したキャピラリー放電プラズマにより、高エネルギー密度プラズマを安定に再現性良く形成できることが明らかになった。現在、小型のパルス電源を用いた装置でNe様Arの波長46.9nm(3P^1S_o-3S^1P_1(J=O-1)線)のレーザー動作が確認されているが、短波長化の検討が実用化には最重要課題である。本研究は、高速のパルスパワー励起のZ放電を用いて高エネルギー密度プラズマを形成し、キャピラリー放電型軟X線レーザーの短波長化、高効率化、大出力化の可能性を検討することを目的とした。 本研究では、高速のパルスパワー電源を用いて均一に予備電離を行うと、非常に再現性の良いプラズマを形成できることを示した後、軟X線ダイオードや高速ストリークカメラを用いて高速Z放電プラズマのダイナミクスと軟X線出力との相関を議論した。 短波長化にはさらに高速の放電が必要になるが、そのような条件でプラズマを生成すると内部に衝撃波が駆動され電流シートとの相互作用によってプラズマの中心軸付近に大きな密度勾配を持つ構造が形成されることを実験と数値シミュレーションにより明らかにした。中心付近の大きな密度勾配を持つプラズマ中を誘導放射がガイドされながら伝送・増幅するような密度分布を形成すれば、レーザー出力は飛躍的に大きくなると予測されたが、屈折効果と利得の飽和効果を同時に取り扱える解析法がこれまでは存在しなかった。本研究では、これらを自己無撞着に取り扱えるモデルを考案し短波長軟X線レーザーの出力解析法を開発するとともに短波長へのスケーリング則を明らかにした。従来、非常に不安定で再現性が悪いと考えられてきたZ放電プラズマの欠点が本研究を通じて克服された結果、種種の応用が展望できるようになった。派生的な研究成果として、高速放電によって形成された高エネルギー密度プラズマを材料開発や高強度レーザーの導波路へ応用するための基礎実験を行った。
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