研究課題/領域番号 |
09450043
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20197065)
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研究分担者 |
裘 進浩 東北大学, 流体科学研究所, 講師 (60241585)
圓山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
古屋 泰文 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20133051)
松本 實 東北大学, 素材工学研究所, 講師 (30006043)
谷 順二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30006192)
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キーワード | 磁性形状記憶合金 / 形状記憶合金 / ホイスラー型 / マルテンサイト変態 / 強磁性 / X線回折 / 形状記憶効果 / 非化学量論 |
研究概要 |
高純度ニッケル、マンガンおよびガリウムを用い、アーク溶解炉により化学量論Ni_2MnGaおよび非化学量論Ni_<2+x>Mn_<1-x>Ga(0〜0.20)の試料を作製した。得られたインゴットは真空中で1,100Kで9日間熱処理した。合金組成の分析はX線マイクロアナライザーで行い、所定の組成であることを確認した。温室でのX線回折により結晶構造を決定した。それぞれの試料についてマルテンサイト変態開始と終了温度、逆マルテンサイト(オーステナイト)変態開始と終了温度、およびキューリー温度の測定を行った。 熱機械的特性として三点曲げ試験、および圧縮試験を行った。三点曲げ試験は厚さ0.3mm、幅2mm、支点間距離5mmの試料を用いた。変位は恒温槽内部の渦電流変位計で、荷重は恒温槽上部のロードセルにより測定した。各温度における荷重-たわみ曲線の傾きからヤング率を求めた。圧縮試験は、5mm×5mm×5mmの試料を用いた。変位は変位計で、荷重はロードセルにより測定した。5Tまでの磁場による残留ひずみの磁場方向の回復量をホトニックセンサーにより室温で測定した。 Ni_<2.18>Mn_<0.82>Gaの室温における圧縮による応力除荷後、残留ひずみは約0.007であった。 残留ひずみは加熱により消失した。この現象は非化学量論Ni_<2+x>Mn_<1-x>Gaにおいても形状記憶効果があることを示すものである。同じひずみ量を与える応力の値は組成によって異なり、この原因は結晶粒によるものと考えられる。 磁場による変態温度の移動は約5Kと見積もられた。磁場によるひずみ量の変化はNi_<2.14>Mn_<0.86>Gaにおいて観測された。この磁場によるひずみ量の変化は磁歪の量よりも大きく、磁場による形状回復現象の可能性を示している。
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