研究課題/領域番号 |
09450045
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
宇治橋 貞幸 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80016675)
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研究分担者 |
伊能 教夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (70126308)
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キーワード | スポーツ・サーフェス / 衝撃吸収 / 落錘試験 / 力学特性 / 官能評価 / 感性工学 / 頭部保護 / ヘルメット |
研究概要 |
市販されている乗車用ヘルメットから、代表的なモデルを取り上げ、このヘルメットのシェル形状と落下試験に用いるヘッド・フォーム形状をそれぞれ計測し、これらの三次元形状データからシェルとライナーで構成されるヘルメットおよびヘッド・フォームの三次元有限要素(FE)モデルを作成した。そして、シェルとライナーについては、衝撃試験結果に基づき、これらが線形弾性応答を示す範囲内の材料特性を求め、これをモデルの材料特性とした。 ヘッド・フォームおよび落下対象の平形および半球形のアンビルについては剛体とした。これらのモデルを用いて、ヘッド・フォームにヘルメットを装着させ、二種類のアンビル上に落下させるシミュレーションを行った。シミュレーションで得られたヘッド・フォームの加速度応答に基づき、HIC(Head Injury Criterion)などの指標を計算することにより対象ヘルメットの頭部保護性能の評価を行った。同時に日本工業規格(JIS)で定められた方法により、シミュレーションの対象とした乗車用ヘルメットを用いて落下衝撃試験を行い、ヘルメットの損傷の有無を調べるとともに、ヘッド・フォーム内に装着しておいた加速計による応答から、頭部保護性能を評価する指標の数値を求めた。以上による研究成果をまとめると、次のようになる。 1)JISで定められたヘルメットの落下衝撃試験をシミュレーションできる三次元有限要素法モデルの作成に成功した。 2)材料特性が線形弾性の範囲内に限定されるが、実験とシミュレーションによるヘッド・フォーム内の加速度応答波形ならびにこれらから求められる頭部保護性能評価指標は、ともに良好な一致をみた。 3)落下サーフェスに関しては、半球形の場合の方が平形の場合よりも応答加速度および評価指標ともに小さくなった。この原因としては、半球形のアンビルに対する衝突では、応力の集中により変形が大きくなり、その結果として応答加速度が、小さくなったと思われる。しかし、これはヘルメットに損傷がない範囲内における現象で、ヘルメットのシェルあるいはライナーに不可逆的な損傷が生じる場合は、破壊とその破壊による頭部保護性能について、別途評価する必要がある。
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