研究課題/領域番号 |
09450060
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三好 隆志 大阪大学, 工学部, 教授 (00002048)
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研究分担者 |
高橋 哲 大阪大学, 工学部, 助手 (30283724)
高谷 裕浩 大阪大学, 工学部, 助教授 (70243178)
島田 尚一 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029317)
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キーワード | 光放射圧 / マイクロ加工 / レーザトラッピング / 超精密加工 / 微細加工 / 微粒子 |
研究概要 |
(1)数ミクロンから十数ミクロンの微粒子をレーザ光(Arイオンレーザ)で捕捉し光放射圧によって発生する微粒子の力学的運動現象を観察し、その動的特性を解明するために、ダイヤモンド砥粒を安定して捕捉するレーザトラッピング光学系と、CCDカメラによりダイヤモンド砥粒の動きを700倍の高倍率で観察可能な顕微鏡光学系からなる光放射圧マイクロ加工・挙動観察装置を開発した。 (2)上記の試作開発した装置を用い、シリコンウエハ基板上のpH11程度に調整したKOH水溶液中に直径3〜6μmのダイヤモンド砥粒を分散し、レーザ出力0.3W、レーザスポット径4μmで、1個の砥粒を捕捉しシリコンウエハ表面のマイクロ加工を行った結果、次のような加工特性が明らかになった。 (a)光放射圧によって回転するダイヤモンド砥粒とそうでないものが存在し、中には600回転/分と高速回転する砥粒も存在する。この回転速度は微粒子の形状に関係しており、長方形あるいは楕円形状に近くまたその断面が非円形であることが分かった。 (b)光放射圧は0.1nNと極微小な力ではあるがダイヤモンド回転砥粒(長径6μm,短径2.5μm)を安定して保持することができ、また回転中の砥粒の位置を自由に制御できる。 (c)光放射圧の押しつけ力と回転力で、送り速度4.4μm/sで50回走査することによって深さ3〜4nm、砥粒の長径にほぼ等しい幅約5μmの加工痕を原子間力顕微鏡で観察することができた。 (d)回転しない砥粒を用いた場合は200回の走査で深さ1〜2nmであった。またレーザ光のみの走査では痕跡は認められたが、その深さは1nm以下と浅く、正確な測定はできなかった。 以上の研究成果から、nmオーダの光放射圧ダイヤモンドマイクロ加工の可能性を確認した。
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