研究課題/領域番号 |
09450071
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
市丸 和徳 九州大学, 工学部, 教授 (60037760)
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研究分担者 |
田中 宏昌 九州大学, 工学部, 助手 (80264076)
森田 健敬 九州大学, 工学部, 助手 (70175636)
和泉 直志 九州大学, 工学部, 助教授 (60184579)
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キーワード | 弾性流体潤滑 / 表面粗さ / 転がり疲れ / フレッチング / 多重格子法 / 有限体積法 / ピッチング / き裂伝ぱ |
研究概要 |
(1)転がり軸受や歯車などの機械要素作用面の力学的環境は巨視的にはヘルツ接触で近似されるが、表面粗さなどの微視的形状誤差の影響で表面ごく近傍に厳しい応力集中が生じ、トライボ損傷の原因になる。このような粗面の弾性接触および弾性流体潤滑(EHL)下の力学的環境を精度よく解析するために、接触面上にとられた直交格子の任意の格子点とその隣接格子点間で線形となる圧力分布を仮定し数段の多重格子を用いて、従来の階段状の圧力分布を用いる方法に比べ精度の向上をはかるとともに計算回数を減らし、弾性変位の計算の高速化を実現した。この方法をEHLにおける弾性変位の計算に応用するとともに、非定常・二次元流れ・三次元変形の粗面EHL解析のため、有限体積法と多重格子法を併用した新たな解析法を開発した。これにより、従来解析が不可能であった、直接弾性接触域とEHL膜形成域が混在する場合の接触応力解析が可能になった。(2)揺動下の転がり軸受のフレッチング摩耗に関しては、グリース潤滑下で転動体と転送面間の油膜分離あるいは直接接触の状態を電気抵抗法で計測しながら、フレッチング摩耗の経過を調べた。その結果、なじみの結果油膜形成が良好なものはフレッチング寿命が長いことが分かった。往復転がり下のEHL解析が今後の課題である。(3)数分子程度のごく薄い油膜の挙動を調べるため、試験機を作成し実験を開始した。振動の影響の除去など解決しなければならない問題もあるが、次年度以降に成果を得る予定である。(4)転がり疲れおよびフレッチング疲れについて、ビデオによる表面の定期的観察により、き裂の伝ぱについて観察し、国際会議(1997WTCロンドン)で成果を発表した。また、トラクション油による接線力特性と転がり疲れの関連性についても実験的に調べている。
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